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現役外科医のつぶやき 通院に最適な服装はこれだ!

ご覧いただきありがとうございます。

突然ですが、患者として病院に行く時、どんな格好で行かれますか?

今回は、診察時に、どういう格好だと嬉しいな!という話です。

結論から言うと、診察、検査、処置がしやすい格好です。
一般外来と、救急とに分けて記していきたいと思います。

お腹の病気で一般外来を受診された患者さん…

Case①


一通りの病歴聴取を終え、
俺『じゃあ、お腹診せてもらいますね、そこのベッドに横になって下さい。』
患者『え?』
俺『え?』
俺・患者『…』

俺『あ、あの、お腹診せてもらってもいいですか?』
患『え、今ですか?』
俺『い、今です。』
患『わ、分かりました。ちょっと待ってください。』
上着、上着、中着、腹巻、ベルトカチャカチャ、下着、靴下…アセアセ…

俺『あ、靴下は履いたままでもいいですよ。ず、ずいぶん沢山着られてますね。』
患『いや、暑いんですけど、冷やしちゃいけないと思って…』
俺『これ、もう少し下にずらせますか?』
患『じゃあ、一回脱ぎますね…』

俺『はい、じゃあ服を着て頂いて結構です。』
患者『あ、はい。』
下着、腹巻、中着、上着、上着、靴下…

Case②


俺『今日はどうされました?』
患 服ペロン!『ここが痛くて。』
俺『じゃあ、そのままそこに横に…って、もうなってるし!?』

嬉しいのは…


Case②の方です。着脱しやすいラフな格好がお互いベストだと思います。中には“失礼ない様に”と気を使って頂き、綺麗な格好で来られる方もいらっしゃいますが、逆にラフな格好の方が嬉しかったりします。

確かに身なりで多少の先入観を抱くのはあります。
例えば、前回受診時に禁煙を勧めたにも関わらず、明らかにタバコ臭かったりすると、“やめられてないなぁ”と感じ、切ない気持ちと共に、こちらとしても共に治療していくモチベーションが下がることは事実です。
また、明らかに清潔感にかける状態だと、感染等が気になり、手術などの治療に際しては、若干消極的になることもあります。

逆に嬉しい事としては、個人的には術後の退院後初回外来の患者さんが、見慣れた入院中の病衣ではなくて、私服で外来に来られると、ちゃんと自宅生活できているんだと、嬉しく思います。

一方で、救急搬送の場合は若干話が変わってきます。

そのまますぐに点滴を入れて、CTを撮って…というような“処置・検査”が必要になることが想定されます。

状態にもよりますが、服は邪魔になる場合、切ります。また、点滴をとった時に血液が付く可能性もあります。

差し迫った状況で、搬送前に服を選ぶ余裕はないと思いますが、点滴を入れることを考えて、緩めのTシャツか、前開きのシャツがbetterです。また、CT等を考えると金属があるものは望ましくありません。アクセサリーも破損、紛失の可能性は0ではないので、外すことが出来れば、外した方がよいと思います。万が一、緊急手術で電気メスを使う際、金属は火傷の可能性があります。こちらも指輪等は注意しますが、外せないと時間のロスになり得ます。

あとは自宅から救急車を呼んだ場合は、靴を履いてこないことが多いです。診察後、帰宅できる可能性もあるので、帰るための靴、サンダルはあるといいと思います。

結論

一般外来通院の時…


常識的な清潔感のある、着脱しやすいラフな格好が、best!

具体的には…
トップス:緩めの半袖Tシャツ。ボタンは若干面倒で、緩めのTシャツで上に上げられるならばそれがbetterだが、前を開けられるのは利点ではある。出来れば、ボタンよりファスナーが嬉しい。ロンTは体幹部はよいが、腕を見る必要がある時は邪魔。
ボトム:短パン、スウェットなど。
下着:緩めのトランクス!きつめの丈の長い膝上までのボクサーパンツやズボン下・股引きの様なものは少々大変です。腰にタオルはかけますが、局部が露わになります!

救急等で処置が必要になる可能性がある時:


Tシャツ!緩め!点滴入れた状態で片腕ずつ脱げるように。あとは、処置で血液が付いたりする可能性があるので、多少汚れてもいいもので!
ベルトや女性はワイヤーのあるブラは、CTの際に正確に撮像出来ない可能性があるので、ワイヤーのないスポーツブラの様なものの方がよいと思います。



ちなみに今までの最強は甚平とビーチサンダルで来たおっちゃん!

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