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メスギツネ
2019年6月13日 16:29
「さっきの魔法少女、大丈夫かな。どこに吹っ飛ばされたんだろう」教室では、ざわざわと重い空気が漂っていた。窓に張り付いて戦闘を見守っていた生徒たちだが、運動場に2人の姿がなくなり、それぞれ席へと戻っていた。「俺たちを守ろうとしてくれていたんだよな」「でも敵が強すぎる…。その差は圧倒的だったよ」正義のヒーローが大ピンチという異常事態だ。誰も、百合がいないことなど気が付かない。リリーの正
2019年6月13日 16:28
リリーは、ハクにステッキを向けた。その先端から、光の玉が発射する。それは真っ直ぐ直進し、彼に命中した。(やった!このまま…!)運動場は、瞬く間に砂煙に覆われる。リリーは攻め時と判断し、そのまま何発も追加で発射した。(反応がない。倒したのかしら?)20発ほど打ったところで、ようやく攻撃をやめた。そして、土煙が晴れるのを待つ。その時だった。「なっ…!?」突如、足元が光り出
2019年6月13日 16:26
「なんか運動場にやばい人いてるみたいだよ」「え?なにー?不審者?」「やばいじゃん。避難とかしなくていいの?」昼休みの教室は、いつもと違う不穏な空気に満ちていた。窓から見える運動場の中心に、異様な格好をした男が1人立っている。夏の太陽の下、いかにも暑そうな白衣姿。しかし、その手には黒いグローブが付いている。何をするでもなく、ただ突っ立っている。彼の姿を見て、はっとした表情を浮かべ
2019年4月11日 20:05
「さあ、早く仲間になりなさい。これ以上情けない姿の魔法少女なんて、誰も見たくないでしょう?」「ああっ!ぐう…っ」 頭をぐりぐりと踏み続けられ、リリーは屈辱的だった。全く相手にならない。相手が強すぎる、そして自分が弱すぎる。今まで順調に悪を倒して来たのに。 「それか、もっと楽しませてくれるわけ?」(こんなところで…終わりたくない…!) レイの足がどけられたのを確認すると、リリーはゆ
2019年4月9日 19:36
レイの鞭が迫る。リリーはとっさに身を翻した。が、避けきれず、右肩を掠めた。「くっ…!」思っていた以上の鋭い痛みに、顔を顰める。しかし休む暇なく、また鞭が振るわれた。しかし今度は、直接痛めつけるためではない。生きているようにぬるぬると動く鞭の動きに、リリーは翻弄された。そして、片方の足首に鞭が絡みつくのを許してしまったのだ。(しまった!)「ふふ、つーかまえた」レイのにやり笑い
2019年4月9日 19:27
「今日は満月。儀式には最適ね」ところどころ壊れた天井の隙間から、月明かりが差し込む。薄暗く、埃っぽい空間。港近くの廃倉庫。元々、貿易関係の荷物置き場として使われていたらしい。木箱や鉄筋が、無造作に置いてけぼりのままだ。そんな廃墟に似合わない、美女が1人。ブロンズのウェーブががった髪に、青い瞳。薔薇のような真っ赤な唇。そして、体にぴったりと吸い付くような、黒光りのスーツ。大きな胸が収まり