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傷があってこそ、磨かれる感性。

わたしがどハマり中の作家さん
凪良ゆうさんの作品を
またひとつ読み終えた。

今回読んだのは
「わたしの美しい庭」。

屋上に縁切り神社がある
ちょっと変わったマンションを主な舞台に、
様々な人の想いが交錯する
心温まる物語でした。

章によって
様々な人がそれぞれの視点で
語り手となっています。

その中にひとり、
「うつ」という形で
心の悩みを抱えることになった男性が出てきます。

いろいろな小説に
ちょくちょく
心の悩みを抱える人物は出てきますが、
彼ら彼女らにより紡がれる言葉を
(正しくは作家さんが紡ぐ言葉ですが)
今まではスッと読み流していました。

ただ、今回は
うつの男性が語る
だるさや
悲しさや
無力さや
後ろめたさや
心の呪縛と閉塞感が
ひしひしと手に取るように
共感できたのです。

言葉にするのが難しい、
どうするべきかわからず何もできず
流れていく日々と
そこから湧き出る不安と焦燥感と
どこか投げやりな諦念と。

不調に陥らなかったら、
この物語を
こんなに心が痛いほど共感して読むことは
無かったかもしれません。


涙の数だけ強くなれる。
悲しみを知った分やさしくなれる。 

こういう言葉は
やっぱり本当なのかも。


きっと
傷があってこそ、磨かれる感性がある。

無理して傷を負うことはないけれど。

できちゃった傷は
癒しながら、
磨きながら、
共感力や表現力に変えていけるから。

だから、
傷を負うことを恐れずに
傷を負ったことを負目に感じずにいたいなと
考える今日この頃です。


今日も読んでいただき
ありがとうございました。


noteをはじめて約1ヶ月半。

すでにたくさんのと繋がれて
嬉しい限りです。

これからもよろしくお願いします☺︎


ヘッダーは
かわいいイラストをお借りしました。

金継ぎって
とても美しく優しい技術ですよね。

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