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続けること・辞めること

子どもの頃、バスケットボールを習っていた。


ある日(確か日曜日)、みんなの前で監督がこんなことを言った。

「なんでバスケットをやっているのか」


みんな三者三葉に答えた。
私は「バスケットが上手くなるため」と答えて一理あるといわれたことを覚えている。


そして監督はこう言った。
「バスケットが好きだからだろう?」と。


そう言われた時のみんなの反応は
ああ~。
という感じだった。
なるほど、言われてみれば、というような反応だった気がする。


しかし私はそれを聞いて
バスケット好きじゃないな
と思った。


そもそも好きで始めたわけではなかった。バスケットは友達に誘われて始めたのだ。
もう当時の私がどう思っていたかは思い出せないが、その頃の私は人の誘いを断るのが苦手だった。だから、少なからず断りずらいという感情はあっただろうし、親も何かスポーツをやらせたい気持ちもあったと思う。

当初は上級生からからかわれたりして、正直好きではなかった。
ただ、上級生がいなくなり、ある程度できるようになると、楽しかったこと自体はあった。
試合でチームに貢献できることは嬉しかったし、何より楽しかった。

ただ、監督がそう言ったとき、私はもうバスケットが好きじゃなくなっていた。練習はともかく、特に試合が嫌いだった。
パスミスはするし、ドリブルも途中で止まるし、点を取ることができない。
試合に出たくなかった。
ある程度人数がいれば当然外されるのだろうが、チームは人数が少ないため下手でも出ざるを得なかった。


今思えば、あの時やめればよかったと思う。チームとしても。
当時の私は足を引っ張りまくっていたし、それは他のみんなも気付いていただろう。人数は少なくなるが、正直私がいたところでチームにプラスになっていたかは疑問である。


ずっと続けていれば、また好きになっていたかもしれない。
でも、あの頃の私は一刻も早く辞めて楽になりたかった。

最後の試合もミスをしまくり、帰りの車で母親から罵声を浴びせられ(ただしこの母親はバスケット経験者ではない。それどころか運動が大の苦手である。)、益々嫌いになった。



確かに続けることで何か得られることもあるだろう。
でもそれは、辞めても同じことだろう。ましてや子供時代なのだから。
色々なことに触れられるのは子供時代の特権なのだから。


辞めるということにマイナスなイメージがあるからなのかもしれない。
なら、距離を置くという風に考えればどうだろう。
もし、またやりたくなったのならやればいい。
そこまで頑なに続けることに固執しなくていい。


続けることが良いことではないし、辞めることが悪いことではない。
それは、最後の最後に振り返って自分で決めればいい。



どちらを選んでも、どうなるのかは自分次第なのだから。















いつか加筆修正するかも。



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