見出し画像

父の偉大さを知るということ。

再オープンしてから、、、。

8/18に再オープンして2ヶ月ちょっと。
オープンから1週間ぐらいは、季節外れの雨の日々が続き、雨が止んだと思ったら緊急事態宣言、、、。今月から緊急事態宣言は解除されましたが、まだ予断は許さない状況。

お客様の中には、

「やっと来れました!」
「散歩をしていたら偶然見つけました!」

前の店舗からのお客様、はじめまして!のお客様、既にリピートしてくださるお客様と、様々な子どもたち、皆さんとお会い出来る日々を楽しんでいます。

しかし、最近お客様のなかには「再オープンして話題になっていたので、連日混み合っていると思い、時期をずらして来ました。」と言われることが多くなりました。

率直に言えば、、、。

今、メルヘンハウスは混み合っていません。

画像1

オープン初日はものすごいお客様が来てくれましたが、今は平日だと5〜15組、日祝だと15〜25組ぐらいです。10時にオープンして17時までの7時間、お客様がいない時間も多くなりました。

なかには、せっかく来て頂いたのに、お目当ての本と出合うことが出来ずに、帰られる方もいらっしゃいます。その度にとても申し訳ない気持ちになります。そして、今の店舗運営の体制が良いのか否か?とても悩みもします。

レジ音を響かせて競いあっていた父の話。

父はたまに10時のオープン前に顔出しにきます。
その度に、「やっぱり本に囲まれているのは良いなぁ。」と、本音を漏らすので、僕は「もうちょっと感染状況が落ち着いたら、しっかり働いてもらうよ!」と言います。

父、メルヘンハウス 初代店主 三輪哲が、日本ではじめての子どもの本専門店として店をオープンしたのが1973年。それから2018年の閉店まで45年間、ずっとメルヘンハウスで人生を歩んできた父。

しかし、当時は今ほど児童書が普及していない状況下で、お客様が1人も来ない日も多々あったと聞きます。意地になって、お客様が来るまで閉店時間を過ぎても開けていたこともあるそうです。

結局、夜の10時になって酔っ払って入ってきたお客様が、絵本を1冊だけ買っていったなんてエピソードもあるぐらい。

また、メルヘンハウスが出来てから3年後に、三重県の四日市にメリーゴーランドと言う専門店も出来ました。店主の増田さんは、メルヘンハウスで子どもが座って絵本を読んでいる光景を見て「これだ!」と思い、お店をオープンされることを決意されたようです。

そんな増田さんと父は、同志でもあり、ライバルでもあり、父より少し年下の増田さんとは兄弟のようです。

暇な時間が多くなると、お互いに電話をかけて「調子はどう?」なんてやり取りを何回もしたそうです。電話で話しが出来るぐらいなので、お客様なんているわけではないのです。

そんな2人はよく「今忙しいんだよ!」と言ってお互いにレジスターを空打ちして「チン!」と言う音を、わざと電話を近づけて相手に聞かせるなどしていたそうです。

この話は、父からも増田さんからも思い出話としてよく聞いてました。

そんな時代もあり、お互い切磋琢磨し児童書の普及活動をしてきました。メリーゴーランドは一度もやめることなく、増田さんは今もなお現役。メルヘンハウスと言えば、今は僕が二代目として再出発したばかり。

「俺は20年かかったんだよ!」

父はやっぱりメルヘンハウスの事が気になるようで、「調子はどうだ?」と営業時間内にも関わらず電話をかけてきます。増田さんに電話していた時と同じような感覚かもしれません。そして、僕も営業時間内にも関わらず電話に出れる状況であったり、、、。

画像2

おかげさまで、今のところ最低限ですが、なんとか食べていける状況ではあるので、その事を報告します。そうすると父は「それはスゴイことだよ!お父さんは20年かかったから。」と言います。

当時、子どもの本の普及は今に比べてほとんど皆無な状態。僕はと言えば父が45年間続けてきた「メルヘンハウス 」という看板があるので、父に比べればまだまだ恵まれた状態での再オープンです。

焦らずじっくりと。でも、守りに入るのではなく、、、。

お客様があまりいらっしゃらない、特に平日の午前中は不安になることもあります。しかし、信念を持って続けて行けば必ず「メルヘンハウス」の存在意義を、より多くの人に知ってもらうことができると信じています。

前にも書きましたが、やりたいことは沢山あります。それらをやるために、今は日々思考を積み重ね、ただ考えるだけでなく、実際に行動してみるようにしています。その一環が「子どもたちの現状」と題したトークショーであったり、少し変わった「おはなし会」も来月には予定しています。

画像3

トライ&エラーを繰り返し、前進していくこと。父がずっとやってきたことです。「継続は力なり」と言いますが、本当にその通りです。地道に信念を貫きながら、児童書の普及活動をしてきた父を、今更ながら尊敬しています。

レジでお会計の際に「お父さんは元気ですか?是非ともまたお会いしたいです!」と言うお客様が多数いらっしゃいます。いつか、皆さんのご要望にお応えできる日が来ると思います。何故ならば、今のメルヘンハウスは実際の運営は僕が1人で行っていますが、メルヘンハウスと言う名前を掲げているのは、気持ち的に父と一緒にやっていると言う気持ちだからです。

画像4

父と一緒に、子どもたち、皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!

メルヘンハウス 二代目 三輪丈太郎

サポートして頂いた金額は、実店舗の運営資金として大切に使わせて頂きます。「メルヘンハウスユーザーから、メルヘンハウスメンバーへ」。皆さんと一緒にメルヘンハウスメルヘンハウス を創造していけたら、とても嬉しく思います。