とある日のこと、雑記

満を持して入社した投資用マンションの営業会社を退社した。まさかだった。

あれは退職勧奨だった。何気ない上司とのやりとりから「もうお前はダメだ!」と上司が大きな声をあげ、あれよあれよという間に退職の書類を突きつけられた。日本の法律で、会社から退職を強要することはできないとされているため、私は勿論抵抗した。しかし、いわゆる追い出し部屋、退職者を部屋に閉じ込め業務をさせない状況にさせること、何時間にもわたる上司の説得などがあり、結局、退職を承諾してしまった。たぶん、裁判で訴えることもできたと思う。

今回のコロナウイルスの影響もあり、会社として業績が伸びていないこと、私が入社する前にアポインターを解雇していたことなどもあり、上司としてもやむを得ず演じたある種の壮大な茶番劇だったのかもしれない。上司の本心がどこにあるかは最後まで分からなかったけど、最後には、上司の良心を僕は信じることにした。上司もそのまた上司との板挟みで止むを得ずそうしているものだと。

不幸中の幸いとして、僕は退職予告手当として1ヶ月分の給料をもらえるようになった。労働基準監督署に問い合わせたところ、手当は本来出す必要がないとのことであった。

しかして僕はまた無職になった。第1志望の大学に落ち、本当は行くつもりではなかった大学に進学し、ゼミの教授のアドバイスを無視し、予備校に2年通った挙句大学院進学は叶わず、人より2年遅れて就活を行う。1社目、上司に恫喝され2ヶ月で退職。2社目、正社員希望で入るが拒否され契約社員として2年勤務。そして、満を持して入社した3社目、3ヶ月で退職。俺の人生、連戦連敗。人生、こんなに上手くいかないことがこうも続くのかと思うほど、上手くいかない。

それでも、転職活動の最中、そんな僕に手を差し伸べてくれる人がいる。

ある会社の人事の方と面接した際、結果としては不採用だったが、僕の経歴を見て何とかしたいと思っていただいたようで、様々なアドバイスを頂いた(そのために面接したとも思えたほど)。まず、福祉から営業に挑戦するのは悪いことじゃないが、初めて行う営業にしてはあまりにも極端な業界を選んでしまった。それを認識していなかった(していたかもしれないが自分の利益のために言わなかった?)エージェントも採用した会社にも責任がある。一方で、そういったいわゆる釣り求人に食いついてしまった私自身も反省するべきである。また、仕事をする上で自分が叶えたいこととして、結婚し、家庭を持つために安定して収入を増やす必要がある。そういった見通しを立てるために正社員、営業職を目指していたが、その見通しは投資用不動産の営業などというdrasticな(思い切った)仕事を必ずしもやらなくとも良い。少しずつ給与が上がる、キャリアアップできる会社はまだある。不動産の営業はセンスがいる。かと言って、不動産を売るセンスがある人が良い人かというと必ずしもそういうわけではないので落ち込む必要はない。次に、エージェント経由の採用にはコストがかかるため、取り立てて実績のない自分は求人媒体への応募も積極的に行ったほうが良い。まだまだ可能性はある人材だが、万が一どこにも決まらなかった場合、紹介予定派遣を行うと良い。紹介予定派遣とは一定期間派遣社員として雇用した後、派遣先の会社にて直接雇用されるという制度である。それは、企業にとってあなたという人材を試す期間になるとのことであった。それで正社員として採用されるかもしれないとのことであった。

ある塾業界の会社の人事の方と面接した際、「先生、僕、美容師になりたい。だから因数分解勉強したくない。」と言われたらどう答えるかと問われた。大抵の人は「勉強はしなければならないものだから。」とか「社会に出る前に我慢強くなるための訓練になるんだよ。」などと説き伏せようとするらしい。私はその子に「なんで美容師になりたいと思ったの?」「美容師になって何をしたい、どうなりたいの?」などと質問した後、「美容師の専門学校に行くには高卒の資格が必要だから因数分解を勉強してもいいんじゃないかな。」と提案すると答えた。次に、もし、自分が教室長として赴任した最初の日に「先生、〇〇教えて!」と言ってくる子どもがいた場合、その子どもの心情をどう推察するか問われた。大抵の人は、そんな子どもがいるんですかと驚かれるらしい。私は、他に誰も相談できる人がいないから藁をもすがる思いで私に助けを求めてきた、あるいは、まだ何の関係性もないため、僕を試すために言ってきたのかもしれませんと答えた。それらの受け答えをした後、私には教室長としての素質があると言われた。子どもに好かれる見た目をしているし、本当に正直で優しい人である、そういった大人はなかなかいない、子どもたちから信頼されるのが見えると言っていただいた。一方で、親御さんに安心を与えるかと言われれば疑問であるし、企業理念と自分の就活の軸に若干ズレがあるので、120万の採用コストをかけて採用する価値はないとも言われた笑 「あなたは利益を追求する仕事より、しない仕事の方が向いているんじゃない?」とも言われた。

なんだよ、おれ、研けば光るものあるじゃん!と思いました。

そうやって、一人一人の求職者に本気で向き合ってくれる人事の方もいらっしゃるので、救われますし、楽しみながら転職活動できています。

暇さえあれば、携帯をいじり、転職アプリ各種を通じて、求人に応募する、結果を待つ、みたいな落ち着かない日々を過ごしていたけど、そんなこんなで、少し前向きになれたので、思い立ってamazonで気になっていた人種差別やジェンダーの本、群像劇の映画DVDを買ったり、近くのコンビニと薬局をハシゴして、気になるカップラーメン、お菓子を買い漁ったり、そんな好きな時間に好きなことができる「今」という束の間の自由を楽しもうと思いました笑

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