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【白熊杯】勝手にめろ賞 たとえてガッテンな12句

さあ白熊杯。相変わらずスピンオフ企画にも参加出来てないし、みなしゃまの記事にも全然コメントや御礼参り出来てないんだけど、少しでも盛り上げの一端になりたいと、今回も俳句部門で好きな句を選んでみた٩(๑•̀ω•́๑)۶


いつもの通り、投句一覧の中から、詠み人知らずの状態で純粋に俳句だけで選んだ12句です。大橋ちよさんがどこかで書いてたけど、勝手に賞で一番楽しいのは、誰が詠んだのか答え合わせをする瞬間かも知れないですね。



白熊杯の投句。キャッチフレーズである「ほら、いつもそばにいるよ」に沿った句は勿論多かったですが、それ以外だと比喩表現を使ったものも目立ってた気がしますね。また、比喩ではないけど、これをこのことばで表現するか!って唸った句も多々。前回の十六夜杯では「命と生きるの12句」で選びましたが、今回は、表現の巧みさや比喩に着目した「たとえてガッテンな12句」での選出です。順位付けはありません。投句順でのご紹介です。


では早速いってみよう٩(ˊᗜˋ*)و




ねぇ聞いて雪降る音を心音を
うつスピ

いきなり内輪贔屓疑惑のスターライトさん登場笑 選句後に名前見て笑っちゃったよ。まあでも仕方ない。この句はストレートに「やられた!」って感じ。何がやられたって、オイラも詠みたかったんですよ。雪の日の静寂を。雪を使った句はそれこそ沢山ありましたが、オイラにとって、雪は美しさや寒さよりも静けさなんです。雪の日ってとにかく静かでしょう。雪が周囲の空気振動を吸収するのは有名ですね。


実はオイラも、雪の静けさをテーマにした句を候補として詠んではいたんですが、納得の出来に至らず引っ込めました。出さなくて良かった。この句には勝てないもん。比喩表現こそ使ってないんですが、雪の静寂をこう表現するか!なるほど心音か!こういうの詠みたかった悔しい!となりました。




知る人のいない故郷雪つもる
おはようよねちゃん

この句も、スターライトさんのとは別角度で、雪の静けさを上手く表現していますよね。「知る人のいない故郷」ですから、特段話し相手もいない。実家もなくなっていて、ホテルの一室から外を眺めているのかも知れません。雪の静けさがより独りを際立たせていて、とても印象的です。


もちろん故郷ですから、そこには様々な思い出があります。あの公園でよく遊んだなとか、初めての彼氏とあのカフェで待ち合わせしたなとか。雪が積もって、一面真っ白になっていく。まるで、雪で記憶がリセットされてしまうみたい(いつものオイラの妄想劇場です笑)。オイラはやっぱり、物語を感じさせる句が好きです。




待牌を足指に聞く掘炬燵
月草

一目で実力者と分かるな~と思ったら月草さん。流石の上手さですよね。「足指に聞く」は擬人法っちゃ擬人法か笑 正月に、家族や親戚で麻雀をしている景でしょうか。友達でもいいですけど、季語が掘り炬燵ですから、ここは血縁関係がありそうだとオイラは読みました。


阿吽の呼吸ならぬ、足指の呼吸ですよね。上から3回叩いたら3萬、下から3回叩いたら3筒とかなのかな。「待ってねーよ!」と強く蹴り返されたりするのかな笑 夜中から朝まで親戚で麻雀して、みんな力尽きて寝ちゃって、起きたら箱根駅伝往路のゴール間近みたいな。日本のお正月の団欒が浮かびます




しみだしたように優しく日向ぼっこ
リョウコ

これはバチコンの直喩表現ですね。日向ぼっこ(日向ぼこ)を季語にした句も今回結構多くて、実はオイラも詠みましたが、その中でリョウコさんの御句が一番好きでした。冬は朝晩がしっかり寒いからこそ、昼の時間の晴れ間が、より愛おしく感じられる気がしますよね。


「しみだしたように優しく」。いやいや、素晴らしいですよこの比喩は。オイラはとてもこんな表現できません。お料理を研究されている方だからこそ、出てきたのかなと思ったり。煮物の厚揚げとか椎茸とか、出汁が染み出してくる優しいあの味は、確かに冬の日向ぼっこの感じですよね。



新年は鯨の如く訪れる
しんきろう


もし公式審査員として順位をつけるなら、1位か2位は確定。それくらい、今回の中でお気に入りです。「鯨の如く」って。いやスゴイね。新年が来るあの感じを、鯨に例えるなんて。でも、言われてみると本当にそうだと思う。あの感じは絶対に鯨だよね笑


大きさ。海中から一気にせりあがってくる感じ。潮を吹くのも、めでたくて正月って感じだしって、こうやって説明すると趣がなくなってしまう笑 だからこそ、十七音の俳句で表現するんですよね。新年は鯨の如く訪れる。しんきろうさんお見事。これは後世に残したい日本語だよ。



札取れず号泣の吾子かるた会
Sazanami

わかる~~!これは比喩ではなく、むしろストレートに景を詠んでますが、わかり見の強さで選びました。オイラの親戚にもいたんですよ!正月に親戚宅に行って、一緒にゲームしよ!って毎回誘ってきて、負けて号泣するいとこのケン坊(仮名)が。 


オイラはケン坊の10歳上だったので、普通にやったらまず勝っちゃうんですよね。だけど、ケン坊の父親=私からしたら伯父が、手を抜いたりわざと負けたりを許さない人で…大変でした(参考資料はこちら)。子どもがゲームで負けて悔しくて号泣するのは、もちろん1年中いつでもあり得るんですけど、オイラにとっては冬(正月)の風物詩なのです笑



初雪に笑む子と憂う母の皺
camyu

これも比喩ではないんですが、対比関係の上手さで選出。絶妙ですねぇ。描きたい景は勿論分かるんですが、これを十七音で表現するのは中々大変ですよ。これ、何度も練り直したり、ことばを入れかえたり、推敲に時間かかったんじゃないかな。オイラなら俳句で詠むのは諦めて、短歌で作ると思います笑


初雪に子どもは喜び、祖母は嘆く(この句を詠んでいる「私」が中間の親だと、オイラは読みました)。まあこれだけならありそうな景よねとも言えるんですが、決め手になっているのが、最後の「皺」の二文字。ここがバチコン。子どもながらに、その祖母の眉間の皺を見て、雪こんなに奇麗なのに、何でおばあちゃん悲しんでるんだろうって思うのかな。「皺」が物語を作ってくれます



涙目を隠すおでんの湯気の中
ふぅ。

これも比喩じゃないやんけ。どうなっとんねんテーマ!と自分でツッコんでおきます。涙目を湯気に隠す。いやいや、この表現。涙目のごまかし方っていくつかあると思うんですけど、これはかなりの高等テクニックだよ笑 水分を水分で隠すってんだから。風で湯気の方向が変わったらすぐバレちゃうし、冷めて湯気が小さくなってもバレちゃうし。いや何の考察だよ。


おでんっていうのがまた良いじゃない。人物は書かれてないけど、1人なら涙は隠す必要ない。涙を悟られたくないなら、まあ家族かと。あと、横からだと丸わかりだから、相手は1人で、正面に座っているのかな。限られた文字数の中で、ちゃんとその景を伝えられる言葉選びをしていますよね




もうねなきゃおふろはあした冬の月
リコット

公式審査員として順位をつけるなら、しんきろうさんの鯨の句か御句で1位2位は相当迷うと思います。冬場だから、お風呂であったまる気持ちよさを詠むんじゃないんだよね。風呂は明日。とにかく寝たいと笑 いやめちゃんこ分かる。オイラも、女性としてどうなんだって感じで大きな声では言えないんですが、お風呂あまり好きじゃないんです(すぐのぼせちゃうから)。



これ、上五中七がひらがななので、子どもを詠んだ句なのかな?いや待てよ。もうヘトヘトに疲れ切ってて、今にも寝ちゃいそうで思考回路が回ってない感じを敢えてひらがなにしたのかな。後者だとしたらスゴイぞと勝手に想像しておりましたが、リンク記事に飛んでビックリ。リコットさんの長男さんが詠まれた句!俳号:肉と切り身の小さな帝国って!笑 最高だね。



父母子電車ごっこす冬の暮
すーこ

電車ごっこは、電車はそこにないけど、まるであるように遊ぶだから比喩でいいよね(強引か)。御句はまず、上五の「父母子」ってフレーズが目を引きます。親子・父子・母子ならよくあるけど、父母子って見たことない。ここが良いですね。電車ごっこで2人は少し寂しい気がするもん。家族3人がちょうどいいですね。


季語は冬の暮。合いますね。冬の朝だと元気すぎる笑 冬の夜だと、そんなことしてないで寝なさいって感じ笑 冬の暮の一家団欒。電車ごっこで楽しく遊んで、じゃあそろそろご飯にしようか!みたいな。「笑顔」と書かずに、笑顔でいっぱいの景を描いた冬の佳句だと思います。



忍れば秘密基地めく炬燵かな
袋小路綴乃

秘密基地って季語ではないんですけど、なんとなく夏のイメージありません?夏休みの子どもが、木の上とか洞穴とかに作るみたいな。御句は炬燵=秘密基地って発想が面白いなと。と思ったら綴乃しゃんの句だ!!とテンション上がって体温が2度くらい上がって炬燵から出たくなりました(←?)


同時投句の「食べる寝る遊ぶ着替える炬燵かな」も好きです。こっちはもはや秘密基地ってよりただの住居だけど笑 俳句らしさ+比喩表現で、オイラは秘密基地の方を採りました。あの何とも言えないオレンジ色が、秘密基地間を醸し出してるよね。それにしても、冬の炬燵は強すぎます。





生温き妖気を躱す冬コート
ひろ生

この句だけは、読んだ瞬間弘生ちゃんだと分かった笑 投句するタイミングも、オイラと同じすべりこみ常習者だし笑 俳句の内容もね。冬の生暖かい空気。あるよね。それを「妖気」って表現するのが、弘生ちゃんなんだよなぁ。妖気って普段使うみんな?使わないでしょ。弘生ちゃん以外で使うのは鬼太郎くらいでしょ笑


後半の「躱す冬コート」ってのも、かっこいいじゃない。オイラの中で、これは絶対に赤のトレンチコート。頬被り+サングラスした、赤い弘生ちゃんが軽やかに鮮やかに、颯爽と躱す。スタイリッシュ。いやホント、弘生ちゃんの俳句は絵画だよ。




★1/30(月)20時まで投票受付中。好きな句にポチとするだけ٩(๑•̀ω•́๑)۶


最近、みなしゃまのところに全然伺えてなくてすみません○┓白熊杯以外にも、読みたい記事、聴きたい音声配信、乱入したいイベント等々沢山あるのですがががいつも言うてますががが時間ががが


仕事のピークを越えた2月になったら、もう少し顔出せるかなと。
気長にお待ちいただけますと幸いです○┓



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