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 何か月ぶりかで手持ち仕事がすべてはけた。
 あちこちに営業をかけなければ。いや、その前に仕事部屋をなんとかしないといけない。書類や資料がそのままやクリップで留められていたりファイルに入った状態で数百枚散らばっているし、辞書や文法書が椅子を囲むように何十冊も重ねて伏せて床に置いてある。ふだんから整理整頓が得意というわけではないが、これはあまりにもひどい。というわけで書類や資料や本の処分と片付けをしたい。さらにいうと、4年半使ったPCを買い替えてデータ移行をしたい。
 だが、掃除と片付けをするには、とくに文字通り、「文字」であふれ返っている仕事部屋をきれいにするには、相応のエネルギーがいる。ちょっと精神的に充電が必要だ。
 こんなとき、推し活をしたり遊びにいく人もいるだろうが、わたしの場合、娯楽にもエネルギーが必要だ。まずは休まなくてはならない。「遊ぶ」のではなく「休む」ということだ。近場限定で「休む」のが必要だ。混雑が苦手なので電車に長時間乗るのも疲れの元である。
 というわけで、35,000平方メートルの広さを誇る、市内の自然公園を散策しに行くことにした。
 市内とはいえ5km離れているのでバスを使う。空いている時間帯を選べば確実に座れるし、乗車時間も20分程度だから乗り物が苦手なわたしでも許容範囲だ。
 そうして無事に到着した、1年ぶりの市立公園。土日には子連れや、最近はキャンプ用のテントを持ち込むグループもいて相当にぎわっているが、12月の平日ともなれば静かで、自分が枯れ葉を踏みしめる音もはっきり聞こえる。
 まずは舗装路を、散歩よりも早歩きという感じで、どんどん歩く。噴水があったので立ち止まり、ぼーっとする。何かを思い出したり考えたりということではなく、ただ、なんとなく眺めるだけ。
 また歩きだし、今度は樹木のなか、アップダウンの多い山道のような箇所を抜けていく。葉が落ちていて陽光が降り注いでくるので足元がよく見える。木の根っこを踏まないよう、用心しながら確実に一歩ずつ足を下ろす。
 そこから広場に向かったりランニングロードを通ったりして1周すると、70分経っていた。
 バスの時間を確かめると、ちょうど5分後だ。というわけで、断捨離チャージのための「休み」はここでお終い。
 自然のなかを歩くのはヒーリング効果があるというが、たしかに心身がすっきりした。
 というわけで、明日からは部屋を片付けよう。すっきり仕事しやすい机とPC周り、本棚に整えて新年を迎えよう。

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