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運転士は様々なプレッシャーと戦いながら仕事をしていた!電車を止める運転士の心理的プレッシャーについて

東北の釜石線 、山田線 どちらも列車の前に突然、鹿が現れる。そんなニュースを先日見ました。

JR東日本盛岡支社エリアでは、 動物による運行遅延件数が、2017年460件、2018年517件、2019年523件と、年々増加しているそうです。
特に釜石線と山田線では鹿との衝突が多いことから、同社はライオンの糞から抽出した成分を含む忌避剤の散布をはじめ、侵入防止ネットの設置など様々な衝突防止対策を実施してるそう。

電車と動物が衝突し、その動物が逃走した場合などもふくめ、復旧へむけておおむね15分前後で対応。高速走行列車や貨物列車が走る東北本線は遅延が30分を超えたケースもあるらしく、衝突することでダイヤへの影響は大きいそうです。

さて、鹿に当たれば流石に気づくと思いますが、このように運転中に何かに当たることは比較的よくあります。
人身事故なども多いですよね。そして、列車が止まるケースは当然ありますが。

列車を止めること。それは運転士には大きなプレッシャーがかかります。


様々な理由により、運転士はなかなか電車を止めることができないのです。これは根深い問題かと思います。今回はこれについて書いていきましょう。

《目次》
1.運転中に何かと接触した場合
2.そもそも何と接触することがあるか
(とにかく色々なものと接触します)
3.新幹線が人と接触したケースから考える
4.電車を止める運転士の心理的プレッシャー
5.おわりに

何かと接触するというのは、運転士にとっては恐怖です。高速走行で接触するのですから、思わずドキッとする事はしばしばあります。
まして人や車と接触などあれば一大事です。
最悪は運転士自身が大怪我するリスクもあります。

私自身もハンドルをもっている現役時代は緊張感が常にありました。人事異動で運転士の仕事を離れましたが、寂しい反面、少しホッとした感覚もどこかにあったものです。

そして先ほどもお話しましたが、異常を認めた場合は列車を躊躇なく止めないといけません。それをやることの緊張感、迷い、自分の判断は正しいのか、事後の報告の面倒くささ等、いつもプレッシャーがつきまとうのが、運転士の仕事です。

それでは、それらについて解説しましょう!

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