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テンセント、「Game 4 Change」をテーマに「テンセント・ゲームディベロッパー・カンファレンス」を開催

このnote記事『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとして「GAFA×BATH」などの米中メガテック企業をはじめと国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中からその内容をシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、テンセントのゲーム事業を取り上げます。

テンセントは、2020年12月11日、コーポレートニュースサイトに「Tencent Game Developers Conference Explores New Era of Gaming with Developers(「テンセント・ゲームディベロッパー・カンファレンス」でゲームディベロッパーと共にゲームの新時代を探る)」という記事をアップしました。

記事によれば、テンセントが開催した「テンセント・ゲームディベロッパー・カンファレンス」(12月7~10日)では、「Game 4 Change」というメインテーマのもと、デベロッパー、学者や専門家などとともに、「Games for Focus」「Games for Evolution」「Games for Exploration」「Games for Construction」といったゲーム業界の4つの側面についての議論が持たれました。

テンセントの戦略は、SNSをテコにゲームや決済サービスを展開するというもの。テンセントの四半期決算資料などでよく使われているのが、「歯車理論」の図です(「2020年11月12日付け「2020年第三四半期結果プレゼンテーション」参照)。

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図には、ウィーチャットやQQなどの「コミュニケーション&ソーシャル」事業という大きな歯車を中心に、「オンラインゲーム」「メディア」「フィンテック」「クラウド」「ユーティリティ」という各事業の歯車が連動するイメージが描かれています。つまりテンセントは、SNSで獲得したユーザーに対し、ゲームや動画、ニュース、音楽、文学といったコンテンツや決済などのサービスを提供しているわけです。

テンセントの売上高の6割以上を占めているのが、VAS(Value Added Service)と呼ばれるオンラインゲームなどからの収入。中国のアップストアのトップ100を見るとテンセントの存在感は圧倒的で、ゲーム事業はテンセントの事業全体の重要な柱であることが改めてわかります。

その点、テンセントは、ディベロッパーの育成やエコシステムの構築、産学協業や業界を超えたコラボレーションを通して、ゲーム業界全体の可能性を広げるような施策を展開しています(eスポーツ事業について第32回参照)。

田中道昭

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