見出し画像

バイドゥがライブストリーミングの「YY Live」買収へ

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』では、バイドゥを取り上げます。

バイドゥは、2020年11月16日付けプレスリリースで、「Baidu to Acquire JOYY's Live Streaming Business in China(バイドゥ、JOYY社の中国ライブストリーミング事業の取得へ)」と発表しました。

2005年設立の「JOYY INC.」は、中国を主な拠点としてビデオベースのソーシャルメディア・プラットフォーム事業を展開、ライブストリーミング、SNS、ECなどのサービスを提供するナスダック上場企業です。

プレスリリースによると、バイドゥは、JOYYの中国におけるライブストリーミング事業「YY Live」(YYモバイルアプリやYY.comなどを含む )の買収について、JOYYと契約を締結したとしています。買収額は約36億ドルで、買収は2021年上期にも完了するとされています。

中国検索市場で圧倒的なシェアを誇るバイドゥの事業の柱は、売上高の70%以上を占める「Online Marketing Service」、つまり広告です。しかし、バイドゥは非広告事業を強化してきており、その成長は顕著。特に、ここ数年、モバイル・プラットフォーム強化とユーザーとのソーシャル・エンゲージメントに重点を置き、そのエコシステム構築を進め、収益源を多様化しています。今回のバイドゥの「YY Live」買収には、そのような背景があります。

ライブストリーミングを使うライブ・コマースは、アリババをはじめとして、すでに中国ではOMOの有力な手段となっています(動画参照)。

さらに、バイドゥは、「YY Live」によって、バイドゥのプラットフォームを多様な業種・事業へ拡大するような次世代のソーシャルメディアを探求していくという姿勢です。

田中道昭

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?