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JD.COMが「eスポーツ計画」で中国eスポーツ産業のエコシステム拡充へ

このnote記事『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとして「GAFA×BATH」などの米中メガテック企業をはじめと国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中からその内容をシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、JD.COM(京東商城)のeスポーツ事業を取り上げます。

JD.COMは、2020年12月18日、コーポレートブログに「JD LAUNCHES E-SPORTS GAMING PHONE ALLIANCE WITH INDUSTRY PARTNERS(JDがパートナーとともに”eスポーツ・ゲーミングフォン・アライアンス”をローンチ)」という記事を出しました。

同記事によると、JD.COMは、海南省三亜市のパートナーとともに”eスポーツ・ゲーミングフォン・アライアンス”を設立、サプライチェーン、テクノロジー、流通、マーケティング、決済などJD.COMの得意領域を利活用して、eスポーツ・ゲームのエコシステムを拡充、ゲーム・デバイスを購入するユーザーの利便性も向上させていくとしています。

eスポーツとは、オンラインゲームでの勝ち負けをスポーツとして競うもの。eスポーツ市場はスポンサーシップ、放映権料、イベントチケット、物販、コンテンツ課金、広告料などからの売上で成り立ち、2023年までには少なくとも15億ドルを超える市場規模になるとされています。別の調査レポートによれば、中国のeスポーツ市場は年10%成長を記録、2022年までには2,700億元(約4兆2,000億円)の市場規模に達するとの予想もあります。

JD.COMはゲーミングフォン・ハードウェアやサービスなどの事業、そして競技を推進するために「eスポーツ計画」を策定。同計画に基づいて、ゲーミング・チームを結成したり関連プロダクトをリリースしたりして、eスポーツ業界の発展に貢献しています。

一方、リゾート地でもある海南省はeスポーツ産業を支援する政策を展開、やはりeスポーツ事業に力を入れるテンセント(第32回参照)も海南省三亜市にゲーム事業の拠点を設立しています。

日本ではまださほど盛り上がっていないeスポーツですが、中国でのeスポーツ人口は既に4億人以上とのデータもあります。中国の中央政府、海南省や上海市などの地方政府も、ある意味で国策的に支援しています。

田中道昭

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