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チェロ弾きのためのエッセイ〜削る〜

先生「この音符にスタッカートが付いてると思うんだけど、スタッカートって意味知ってる?」
私「えーと…跳ねるとか、音価の1/2の長さとか、でしょうか?」
先生「そうね、教科書的にはその通り笑 でも、」


「スタッカートは、音が"繋がらなければ"良いんだよ」


はえー…と目からウロコでした。今まで音楽記号を否定系で捉えたことはなかったのでなおさらです。

他の記号で置き換えたらどうでしょう。
レガートは"ぶつ切りにならなければ"
アクセントは"埋もれなければ"
クレッシェンド、デクレッシェンドは"前の音と同じにならなければ"
案外うまくいっている、のかな?多分。


それ以来、私は表現を考える時、よく消去法を使います。
「ここは明るくではなさそうだな…」「このフレーズは重くない方がいいかも?」「fだけど、力強い感じではない?」こんな具合です。

ピンポイントな解釈が必要な時ももちろんありますが、それが全てとは言えない気もします。むしろ自分で表現を考える際は、消去法の方が作曲者の意図にアプローチできる場合もあります。

消去法ばかりでは漠然なままになってしまうとも思うので、消去の仕方はセンスを磨くべきところなのでしょうか。


ちなみに、先程「消去法 対義語」と検索してみたのですが、明確なものはないらしいです。どうやら、消去法そのものが天邪鬼的な思考で、人は本来良いものを選ぶのが自然だから、だとか。

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