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車部品メーカーの営業〜できる営業人はネガティヴをチャンスと捉える

今回のプレゼンターは、外資系車部品メーカーの方。長く国内外でエンジニアとして活躍し、直近ではエンジニア兼セールスをされていました。

車産業のしきたり

車は、安全性はもとより、環境への配慮からハードな規制を受けたり、国の方針に影響を受ける業界。

車はたくさんの点数の部品が組み合わさっている。車のメーカーはOEMと呼ばれ、サプライヤーとなる部品メーカーと資本関係にあることが多い。

メーカーが新たな製品を開発するとき、
外様よりも、資本関係にあったり、これまで自社実績のあるサプライヤーを使いたいのは当然。

したがって業界的なスイッチングコストは高く、
一度関係性を築いてしまえば大きなトラブルがない限りは安泰。
一方で、新たな取引を結ぶのはハードルが高い。

また車の開発は何年もかけてサプライヤーと共に開発をし、安全性試験を重ねる。
サプライヤーの技術力は当然ながら、信頼関係は最重要事項。

嫌いは好きになる前兆

プレゼンターの会社は、国内においていわゆる外様的な立ち位置にある。
そんな中、プレゼンターが個人的に大好きなメーカーのお仕事をもぎ取るチャンスを得て、何とか関係性を築こうと先方の組織に食い込んだ。
その時メーカーの担当者に、

『私は御社が嫌いです』と言われたそう。

なぜわざわざそんなことを言ってくるのだろうか。ビックリだし、ショックですよね。

でも、実はもう関係性は築けていて、顧客はプレゼンターに自己開示をしてくれていたのです。
そしてプレゼンターは、先方の望む形に努力をするだけ。むしろありがたいことだと捉えたのでした。

高い?!何が?

ビジネスには当然ながら価格はつきもの。
そんな中、部品など形あるものに関しては、原材料・固定費等を考えると値踏みされがち。

開発経験を持つプレゼンターは、顧客のいう『高い』は何を指しているのか

・競合と比較して高いのか
・今回の企画に対して高いのか
・価値に対して高いのか

こんなことを聞くようにしている。

単純に高いから値下げをするでは互いにサスティナブルではない。

言葉の表面だけを捉えず、深掘りする営業人。
今後のご活躍も、営業部一同応援しています。

あとがき

筆者も以前、原料のサプライヤーで技術から営業に転身したことがあります。
メーカーは、「なぜわざわざオタクを使わなければならないのか」、サプライヤーを選定するときに、心理リスクと物理的リスクを考えます。
多くの場合は前者で、手間と恐怖。
チャレンジ精神のあるお客様と仕事ができるほどラッキーなことはない。

一方で、サプライヤーの技術者も、技術力が高いほど、自社部品への思い入れが強くなり視野が狭まります。
だから営業は必要なんだと思います。
当事者より少し離れて、顧客と自社を俯瞰して見る。
社内の人間からは調子のいい奴だと思われますが、全体のバランスを長い目で見る営業人こそ、社内ではなかなか理解はされずとも、サスティナブルだと思った。

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