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strange man


明日で30歳になるらしく、オー!と思ったものの、ふと我にかえるとどうでもいいに落ち着く。そういう心の刻み方的な感覚は無くなったにしても、30年モノの心がこんなことでいいのでしょうか。


岩手にある実家から見える少し離れた場所に一人暮らしのおじさんが住んでいたことを思い出した。実家と彼の家の間には畑が広がっていて、言うなれば対岸のおじさん。大人達は表で彼を「ゲイジュツカ」と呼び、裏では「ヘンジン」と呼んでいた。その言葉の真意は分からないけれど、つまるところ自分たちの基準から外れたものをstrangeと分類していたあの空間、あの色素が薄く重い空気がどうしてもずっとずっと忘れられない。


大人になりたくないような気持ちをどう供養したいいのか。何にも縛られずに生きたい。結婚にまつわるベトベトなしきたりであったり、ずっとニコニコしていることが正しい仕事のあれこれが延々纏わりついている。わたしという概念もひっくるめて全部まとめて消えて無くなれ死んでくれ! そんなこと、たまに思ってしまうんだよねって意識したところでつまりstrangeが嫌なんだろって気づいてしまい、これって呪いなのではと思った。

♾ループ人生

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