見出し画像

ごはん何にする?それともおかず何にする? 私の場合、おかず何にする?派!


ごはんを食べにいこう!とは言うけれど、おかずを食べに行こう!とは、聞いたことがない。
江戸情緒が残る昭和を生きた私の中では、ごはんって主食のご飯、そして、おかずってご飯以外の副食の料理を指しています。

まあ、どっちでもかまわないではありませんか!と思いますが、おかずって何だろう。ご存知の方もいると思いますが「御加数」のことです。

記録に残されてる江戸時代の料理を、近代用に解釈してまとめた書籍が、私の愛読書のひとつです。

それによると、古き江戸の頃から人々は、体に必要な食物をうまく組み合わせて食べ、健康を保ってきた様子がわかります。
先人は、「おかず:御加数」という日常語からもわかるように、個々の食物の数を重ね加えて、つまり食品を組み合わせることで栄養成分を補足しあっていました。
それを、体の健康効果に反映させていたのです。

また、健康増進や病気予防、治療に役立つ食物を長期に渡って食べ、特に健康に役立つ食物を「くすり」と位置付けていたようです。
つまり、料理は、美味しくて腹を満たすもの以外に、薬品としての効能という考え方も人々にはあったのです。
まさに「医食同源」ですね。

書籍から江戸時代の料理を詳しく見てみると、エネルギー源である炭水化物の主食と、豆や魚などのたんぱく質、色とりどりの野菜からのビタミン等が組み合わされていて、栄養的にもバランスの取れたものとなっていました。
また、調理の段階で、酢や塩が適宜使われていて、食品衛生的にも理にかなっていました。

科学の進歩した現代の栄養学から見ても、ほとんど差がないことがわかります。江戸時代の料理が、現代にも十分に応用できると考えられます。

むしろ江戸時代の方が、季節の食材や、料理に合った盛り付け方、色彩の組み合わせ等、料理に対する丁寧さ等の余裕が感じられます。(加工技術がなかったこともありますが)

画像1

現代では、料理が手早く簡単にできるのが一番ですが、少し余裕のある時は、古典に習う食材の下処理、調理や盛り付け、器の選び方等を参考に、今の時代に活かして食事を楽しむのも良いのではないかと、ふと思いました。

《愛読書》
「再現江戸時代料理」松下幸子、榎木伊太郎編は、江戸料理を再現し、レシピを紹介したものです。さらに、料理ごとに食養生の講釈が付記されています。
これが面白いので、現代栄養学と並行しながら、古典料理とその栄養を時間かけて学んでみたいと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?