デジタル時代に人間味を感じた ~東京でのみそ仕込みの頃~
今年も大寒の声を聞いて、我が家のみそ仕込みは5年目に入った。
手前みそだが、美味しくてもう作らずにはいられない。
■人間味を感じたみそ仕込み
災害や感染の流行があっても、私たちは「食べる」ことで人と繋がって助け合ってきた。
辛いことがあっても、酒を飲んだり食べたりしながら、人とかかわって乗り越えてきた。
今はそれが簡単にできない。人との非接触が進む時代だ。
毎年のみそ仕込みは何も変わらないが、今年は人が恋しくて「東京みそ仕込み」に人間味を求めた。
毎年、千葉県の親類から自家栽培の大豆が届く。
それに合わせて麹を探す。お気に入りは富山県産の米麹(生)だ。
塩は瀬戸の本塩と決めている。
試行錯誤したが、5年目にして気に入ったレシピがようやく決まってきた。
私流だが、記録に残したのでご覧いただければ嬉しい。
■東京のみそ仕込み我が家バージョン
千葉県産乾燥大豆2.3㎏(水に浸すと2.5倍になる)
富山県産米麹生2.3㎏
瀬戸の本塩920g
種みそ500g(前年のみそ)
蓋塩(重石用)800~1000g
材料合計約6㎏で約8.5㎏のみそができ上る
容器はホーロー(8~10ℓ用)を用意しておくと丁度よい
■my仕込み方
① 大豆の下準備
みそを仕込む前の晩に大豆を洗い、大豆の3~4倍以上の水に入れて、一晩(12~15時間程度)浸す
② 大豆をやわらかく煮る
鍋に、大豆と大豆の2倍量の新しい水を入れ、3~5時間程度煮る。途中、白い泡(アク)を取り除き、湯を足しながら柔らかくなるまで煮る
指で軽くつぶせるくらいやわらかく煮ておくと、後で豆をつぶしやすい
③ 水分をきる
煮た豆が熱いうちにざるにあげ煮汁をきる。この時に煮汁を全部捨てず、種水用として300ml程取っておく。
種水は温かいうちに塩約40g(分量の塩以外)を加えて溶かしておく
④ 大豆をつぶす
消毒したボウルにやわらかく煮た大豆を入れ、マッシャーでペースト状につぶす。フードプロセッサーを使う場合は、種水を加えると回転しやすい
⑤ 容器を消毒する
容器の内側を食品用アルコールか焼酎で消毒する。熱湯消毒でも良い。乾いたら容器の底に分量外の塩をひとつまみ振り入れておく
⑥ 米麹と塩を混ぜる
大きめの鍋かバットに米麹(生)と分量の塩を入れ、両手で下からすくい上げながら、塊がなくなるまでよく混ぜる。
*乾燥麹を使う場合は、1.8㎏(大豆の8割の分量)を約30度のぬるま湯450mlを加えてかき混ぜ、30分ほどおいて戻しておく
⑦大豆と種みそを混ぜ合わせる
つぶした大豆に⑥の米麹(塩入)を加えてよく混ぜる。その時に米麹をつぶさないように注意して取り扱うこと。
さらに種みそ500gを混ぜ合わせて、いわゆるみそ仕込みの呼びみずとする。
かたい場合は、取り置いた種水を少々加えて、指がすっと入る程度のかたさになれば丁度良い。
⑧ みそ玉を作り容器に詰める
前記⑦をおにぎり大に握りみそ玉を作る。容器の底から順にに詰め、手の甲で押してしっかり空気を抜く。これを繰り返し、最後は表面を平らにして分量外の塩ひとつまみを振り入れておく。
⑨ 表面をラップで覆い重石をする
容器の内側と縁を食品用アルコールか焼酎で消毒し、空気に触れないようにラップを貼り付けておく。
重石用の塩は、ビニール袋に入れて均等にのせる。
⑩ 容器に蓋をして保存場所に置く
容器専用の蓋をし上から新聞紙などで覆い、紐で縛っておく。表面には仕込み年月日を記入しておくと良い。
直射日光の当たらない場所に置く。
東京は一軒家でもマンションでも比較的暖かいが、日光が当たらず、湿度や温度の変化が少ない場所なら大丈夫。
例えば玄関のシューズボックスの下部でも可能だ。
⑪ 熟成期間は6ケ月~1年。
仕込みから6か月程して蓋を開け、たまり(みそからでる液体)が上がっていれば食べることができる。一年くらい置くとより美味しい。
私は、衛生面を考慮して1年間は蓋を開けない。一年後に開封したら500gずつビニール袋に小分けし、冷蔵室で保管している。
長期に渡って保存する場合は、冷凍保存とし発酵が進まないのでおすすめだ。
本日もありがとうございました。
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