春の息吹フキノトウを美味しく食べるには・・・
フキ(蕗)は数少ない日本原産の野菜のひとつです。その若い花の部分がフキノトウと呼ばれ、春の到来を告げてくれます。関東平野でも、今年は暖冬によりすでに早期到来し、フキの花も早く開きそうです。
フキノトウの採取時期は、画像の状態くらいが適当です。もう少し日に当たると開き過ぎ、苦みが増し触感がぼそぼそして美味しくなくなります。
フキノトウのだいご味は苦みと香りですから、調理の工夫で美味しく春の息吹を頂きたいですね。
来月になるとフキの茎と葉が出てきます。店先で見かけるのは、大半は国内で栽培化されたものですが、天然のものを使用する場合は、茎と葉が木陰で育った軟らかいものの方が扱いやすいと言われています。アクが少ない種類によっては、キャラブキ(フキの甘辛煮)を作る場合でも簡単な下処理で済みますから便利です。
野菜を利用部位によって簡単に分類すると(学術的でない分け方)
①果菜:果実やそれに近いもの②葉菜(葉茎菜):葉及びそれに近いもの③根菜:地下部を利用するもの、の3つに分けられます。
フキは②の葉と茎を利用するところに分類しますが、フキの若い花をフキノトウとして食用とするのはわずかな時期です。
苦みの特性から天ぷら等の揚げ物で食べることが好まれていますが、苦みの特性を活かして「フキみそ」として、ごはんのおともに食べるのも春らしいですね。
レシピのいらない適当な「フキみそ」が美味しい
フキみそのおいしさは、人によって感じ方が大きく異なりますから、あえて適当がいいのです。
・4~5個のフキノトウを塩を加えた熱湯で茹で、水に30分~1時間程度ひたし、水を替えながらてアクを抜きます。
・水気を絞って刻み、大匙1杯程度の味噌で和えます。好みでみりんや砂糖を加えても良いのですが、甘くない方が結構人気です。
炊きたてのご飯にのせて食べると、フキとみその香りで食欲がわきます。
〔苦み物質〕
ピロリジジンアルカロイド類という物質で、天然の毒性を持ちます。ただし、茹でてアクを抜くことで体に害はなく、美味しく食べられます。
フキ・フキノトウはあく抜きして食べましょう
フキはピロリジジンアルカロイド類という天然毒を含んでいますが、この天然毒は水に溶けるため、伝統的なあく抜きは安全性を高める観点からも有効です。
フキ中のピロリジジンアルカロイド類は調理の際に熱をかけても壊れにくいため、しっかりとあく抜きをして食べましょう。
茹でこぼしてから水にさらすことで、生のフキやフキのトウに含まれていた量の約1/3から1/10に減ります。
〔農林水産省〕
日本では、これまでフキやフキノトウを食べたことによる、ピロリジジンアルカロイド類が原因と疑われる健康被害の報告はありません。
・これには次の3つのことが関係していると考えられます。
①日本人は、昔からあく抜きをしてから食べている。
②えぐみや苦味がとても強いため、一度にたくさんは食べない。
③旬が短く食べる時期が限られている。
・フキ・フキノトウは、和食文化における長い食経験があります。しっかりとあく抜きをすれば、フキやフキノトウを安全に食べることができます。
・フキノトウには、フキよりもピロリジジンアルカロイドを多く含むものがあります。また、フキノトウにはあく抜きしない食べ方もあります。大量に食べることは控えましょう。
〔農林水産省〕
〔香成分〕
香は、フキノリドというフキ特有の化合物であり、胃腸の働きを高める効果があると言われています。その昔は薬草でもあったようです。
〔栄養成分〕
栄養的にはカリウムが多く、カロテンを含むなど、抗酸化作用があります。しかし、独特な香りや苦みで少量しか食べられないため栄養はあまり期待できないでしょう。
参考にしてみてください。
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