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『1122』を観た感想

Amazon primeで『1122』を一気見した。

妻・ウェブデザイナーの相原一子(高畑充希)。夫・文具メーカー勤務の相原二也(岡田将生)。
友達のようになんでも話せて仲の良い夫婦。
セックスレスで子供がいなくても、ふたりの仲は問題ない・・・だけど。
私たちには“秘密”があるー。

それは、毎月第3木曜日の夜、夫が恋人と過ごすこと。
結婚7年目の二人が選択したのは夫婦仲を円満に保つための「婚外恋愛許可制」。二也には、一子も公認の“恋人”がいるのだった。

ドラマ『1122 いいふうふ』オフィシャルサイト


夫婦のありかたについて、というかそもそも大切な他人と生活をしていくことについて深く考えさせてくれたドラマだった。

ブワーッと感想を書いていこうと思う。


以下ネタバレ含みます。




純粋に高畑さん・岡田さんが出ているドラマということで気になった。そして主題歌はスピッツ。
勝手にほんわかドラマなんだろうと軽い気持ちで見たが、スピッツの爽やかな曲を流しても払拭できない重さがあったドラマだった。

公認不倫かぁ

一子の拒否が発端でレスになる二人。
そこから二也が公認不倫をしてしまうわけだが、こういう夫婦、意外といるのでは?Podcastでも聞いたことがある。少し違うかもしれないがセカンドパートナーとかオープンマリッジとか聞いたことがある。
時代が変わってそういう夫婦も増えているんだと思うので、最初から一子夫婦の関係性には驚かず見れた。

ただ、3話くらいまでは二也にただただムッとしていた。
自分は外で美月からドキドキを貰い、一子には安心安全を貰う。でも一子が女性用風俗へ行くと軽蔑する。いいとこどりで人生楽しそう。一子を軽蔑するな、なんて自分勝手なんだ!と。
でも二也を完全に嫌いにはなれなかった。岡田将生の雰囲気のせいもあるかもしれないが、一子への思いやりが節々に感じられたから。

美月からの「私と二也さんとひろの3人で住むのは?」という提案に「重い」と思ってしまった、とあったが美月と一子の違いってなんなんだろうな…と暫く考えてしまった。
二也は美月に恋愛要素以外全く求めてなかったんだろうな。ちゃんと壁があった。不倫物でよくある「妻とは上手くいってない、別れて君と再婚したい」みたいな空気は微塵も感じなかったから。美月の方がよければ乗り換えたいって気持ちも最初からなかったと思う。

女性用風俗の礼くんいい人だった。その後一子に惚れた描写は少し唐突に感じたが、大人とか余裕とか危うさを一子から感じたのだろうか。

あと、優しい二也をイイナイイナ言っていた実母へ放った一子の言葉が妙に残っている。

わたしは“優しい二也さんをつかまえた”んじゃないよ
今の生活を選んで大事に維持してるんだよ

『1122 いいふうふ』

確かに、と思った。人との結びつきって植物を育てるのになんとなく似ている。だからたまに水をあげたり、風通しを良くしたり、ちゃんと目をかけてあげなきゃ枯れてしまうことだってあると思う。

私の恋人も二也のようにすごく優しい。元々の性格として彼が優しい人だからこそここまでこれたんだけれど、結婚したとて安堵しちゃだめだなぁと自戒。
私も一子の言葉のように、これからも二人で楽しく暮らせるように生活を大事に大事に努力して維持していこうと思った。


柏木家 モラハラ夫の変化にホッとする

柏木家の変化にホッとした。序盤では子育てに全く理解を示さない(それを悪いとも思っていない)志郎に嫌悪感があったしモラハラ感やばいから離婚せい!なんて思っていたが、進むにつれ「この人めっちゃ不器用なだけなの…?」と思った。クールすぎて感情が読めないけど内心めちゃくちゃ考えていたのかな…。
作中で一番変わったのは志郎なのではないだろうか。

不倫発覚後も、「美月のことが好きだから」と言えるところや、バーで女性に誘われたときも「妻のことだけをずっと考えている」的なことを言っていたのは、カッコイ‥ってなった。
じゃあもっと早くSOSに気づけ!とも思ったが。志郎さんってめちゃくちゃ鈍感なの?それともそういうことも全部含めて目を背けていたってことなのかな。
私だったら不倫なんてされたら信用は地の底に落ちるし戻らない。相手を永遠に下に見てしまう。だからこそ何があっても好きだと言える志郎は純粋に強いなと思った。

改心した志郎さんはめちゃくちゃ頼りになるパートナーになりそう。
ひろ君にもまだ見ぬ子にも多分好かれるだろうよ。
それにしても柏木家の照明がいつも青くて薄暗くて怖かった(それがまた話に合っていていい雰囲気だった)

あと西野七瀬さん演じる美月、ハマり役だな…って思った。(みんなハマり役なんだけど特に)
影のあるどこか幸薄そうな、一人にしたらどこか心配になってしまう美月役がとっても似合っていた。


わがままだっていいじゃないか

一子と二也は離婚する。が、その後また一緒に暮らす。
一子側が「離婚したい」→「また一緒に暮らしたい」とアクションを投げかけ二也はそれに納得する形だったので、正直一子は自分勝手である。
が、同時に人間ってそのくらいわがままで全然いいよなぁとも思ったのである。昨日言ったことが今日変わっても、それでいいじゃん、何でも言ってくれよと。

自分勝手やわがままって一見いけないことのようだけれど、じゃあ勝手に悪い方に想像を膨らませて自分の気持ちに蓋をすることはいいことなんだっけ?
と言われると必ずしもそうではないと思う。どっちも度が過ぎたら考え物だけど。

このドラマを通して思ったのは、夫婦関で本音で話し合うことの大切さ。
一子も二也も話し合いを避けている描写があったし、志郎も美月の話しから逃げる描写があった。作中では多分なかったと思うが、美月も志郎に対して呆れとか諦めとかの気持ちがあって話し合いをしてこなかったんだろう。
仕事家事育児…いろんな忙しいことがあれど、大切な相手から「話したい」というアクションを貰ったら一旦手を休めて向き合っていくことを心掛けたい。(夫婦間だけじゃなくても。二也→一子母へのポットの下りもそう思った)(でも大切じゃない人には別に向き合わなくていいと思う。疲れるから。)
結果それが大切な相手を大切にすることに繋がっていくのではないだろうか。

なるようになった

思うのは、なるようになって落ち着いたんだろうということ。
一子が二也からの誘いに気が乗らないまま乗っていたとしても、結局夫婦仲は悪くなっていただろうし。気が乗らない一子を二也はきっと気づくだろうし。
そうなれば二也は風俗へ行かないタイプっぽいので(一子のこと軽蔑してたし)結局遅かれ早かれ不倫ルートに行っていたのでは。

ドラマだから楽しんで見れた。自分にもし同じことが起こったら?と考えると正直怖いし、私は一子二也や美月志郎のように戻れるかは分からないけど。

あと、恋人が言っていたが恋愛の別れって転職と似ているって。
お互いいろんなことを知って、イイと思って付き合う。でも、「なんか違うんだよな」「人はいいんだけど、ここじゃない気がする」と思って別れる。片方の気持ちだけで決める。
仕事だって「夢に向かって転職したい」なんて揺るがぬ強い気持ちで言われたら、引き留めたって結局離れていってしまう。
だから一子の「離婚したい」には二也もただただ受け止めることしか出来ないよな、とあの場面は辛くなった。離れるときなんて、基本一方的だから。

1122みたいに、心がグラリと動くドラマとか映画とかニュースとか本とか、疲れるので基本は避けて生きている。
でも今回見てよかった。何より結婚前という今のタイミングで見れたことがよかった。

あ~人生って大変だ~!

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