安定感のある人になる秘訣は「目線」にあり。2年後の目標を持つこと。
昔からひどく不器用で、リズム感がなく、運動音痴だ。給仕とかさせると、水をこぼしたり、お皿をひっくり返すなんて日常茶飯事だ。今となって見れば、これも発達障害かもしれないと思えるんだけど。(参考:#ADHDあるある:手先が不器用すぎて困る。実は「発達性協調運動症(DCD)」だった?)だから、いつも人を頼ってばかり。誰かに頼られる人になってみたいと思いつつ、そんなの無理だった。
しかし、実はちょっとしたコツが分かれば「安定感のある人」になれる。身体的にも、メタファとしてもだ。このヒントを、最近はじまったNHKの科学エンタメ番組「新感覚!目線のぞきみバラエティー 目神サマは知っている」から得た。この番組から得た知見をもとに、ひらめいたことを書いておこうと思う。
この番組、いろいろな人に眼鏡型の特殊カメラをつけてもらい、プロフェッショナル達が、どこに目線を置いているのかを検証するバラエティだ。
安定した走り方の秘訣
狭い道をスイスイと走る路線バス運転手の目線の置き方が面白い。一般ドライバーの目線と、熟練のドライバーの目線では大きな違いがみられることが分かった。
CASE1:きわどいコーナーの曲がり角での目線
一般ドライバーでは、きわどいコーナーを回りこむ時、壁にぶつかったり、溝に落ちたりしないように目線が近くにいく。しかし、熟練のドライバーの目線は行き先をずっと遠くにあり、全くブレない。実は視線を遠くに置くことが、安定感の秘訣なのだ。
動きながら近くのものをみようとするとき、脳には画像を補正するための処理を行わなければならず必要以上の負荷がかかる。しかし、ある程度距離を保っていれば、画像処理の負荷が大幅に軽減するのだ。このことを示す実験として、なみなみについだコップを持って歩く時、目線を下に落とすとフラフラしてしまいこぼしそうになる。しかし、目線を遠くに置くと水をこぼさずに歩けるのだ。
CASE2:人や自転車が飛び出てくる道での目線
一般ドライバーは飛び出てきそうな人に目を配るため、キョロキョロと左右に眼球がふれてしまう。しかし熟練ドライバーは、真ん中を見たまま、視線を動かさない。実はこれも理にかなっている。目を左右にキョロキョロ動かすと、真ん中の空間が見えづらくなる「サッカード抑制」という現象が働く。左右に注意を払えば払うほど、進行方向の視野が狭くなるのだ。
近くで動くものがあれば、そこに目が行ってしまうのは生物学的反応だ。あえて、見ないという選択。前だけを見ることで、実は周辺視野で、はるかに多くのものをとらえることができるのだ。私は運転でも車幅感覚が分からず、いつもヒヤヒヤしている。それだけじゃない。人ごみの中で歩くときは、フラフラして色んな人にぶつかる。これは視点の置き所が原因だと分かった。ぶつかるんじゃないかと、左右の人ばかり見ているので、正面から来た人にぶつかるのだ(涙)
カギは目線を遠くに置くこと、道の真ん中からそらさないことだ。これって、メンタルを安定させることにもつながるんじゃないかなってひらめいた。
近くのものに振り回されない
文字通りにも、メタファとしても、目線はある程度、遠くに置いておかなければ、目に見えるものに振り回されてしまう。この世界に安定なんてありえない。それはドライバーが、絶えず注意を払って、ハンドルやブレーキを秒単位で調整しなければならないのと同じだ。安定感を保つカギは、障害物に注目しないこと、自分の道の先に置いておくことだ。
目線を固定するために有用なのが「目標」ということになる。適切な目標を定めて、そこから目を離さない人は、ちょっとやそっとのことでは、進路を邪魔されない。いろいろな障害は起こるのが普通なのだけれど、目標がある人は、障害をかいくぐり、新たな方法を生み出しながら前に向かうことができる。障害物にいちいち反応し、もぐらたたき状態になってしまった人は、前に進めなくなる。
2年後の目標を持つ
私は長期目標を持つのが苦手だ。(参考:発達障害の成功法則。理想の人生・理想の仕事を求めて「5年後の目標」を立てるべきか。)そこで、短期目標、一日ごとの目標を持つようになったが、あまりにも短期目標だと、毎日の出来事に振り回されてしまう。(参考:目標は高すぎても低すぎてもいけない。昨日より1㎝上の目標を。)
ある程度、中長期の目標を定めて走ることが必要だ。そのために、役立つのが「2年後の将来」を見つめて生きることだ。実は、これ「最後の相場師」と呼ばれた是川銀蔵の成功法則だった。
「彼の投資の成功例を調べていくと、株式銘柄の選択がかなり正確な予測に基づいていることがわかる。正確な予測の秘密は、投資しないときにも常に 経済の動向に目を配り、2年後の変化を予想する習慣 を持っていることだった。」
「1年後でも 10 年後でもなく、2年度というのが絶妙である。 10 年後を予測するにはいろいろな専門知識が必要だし、1年後は短すぎる。一般に公開されている情報から、正確に予測できるスパンがちょうど2年くらいなのだろう。」
1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック 許 成準 (著)
明日のことは分からないとはいえ、大まかに予測できる、ちょうどよい距離感が2年後の目標ということなのだろう。毎日、毎日、予測できないことは起こるけれども、大きな視点で見ると、世界がどちらの方向に向かっているかは予測できる(かもしれない)。その予測に基づいて、目標を持ち、そこに向かってひた走ることだ。
メンタルが安定しないのは、日々の生活に一喜一憂させられて、ちょっと先の目標をしっかり見据えていないからじゃないかと思えた。目線の置き方で、安定感のある人になれる(そう見える)なら安いもんじゃないか。今すぐやってみることにしよう。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)