見出し画像

健康情報に振り回されない人の読書術。「出口汪の頭がよくなるスーパー読書術」

テレビだけではなく、書店でも、ネットでも、オンラインでもオフラインでも、健康情報があふれている。どんな健康法でも、全くの逆意見を述べる専門家もいるので、すべてを真面目に聞けば困惑させられる。例えばMEC(肉・卵・チーズ)が大ブームになり、著名な医師も推奨したりする一方で、肉・卵(動物性タンパク質)をガンの原因!と断罪している学者もいる。肉は食べて良いの?悪いの?そんな単純なことでも悩んでしまう。

結局のところ、人間って個体差が大きいので、誰にでも当てはまる「真理」は、こと「健康」に関しては存在しないのかもしれない。でも、少なくとも、自分の健康法・食養生を完成させるためには、自分なりの完成された考え方が必要だ。その時に良いと言われるもの、流行するものにひたすら流されていくと、まるで波にもまれる小舟だ。

私は週に何冊も健康本を読んでいるが、今一度溢れる健康情報を「論理」を意識して読み解いていく必要性を感じている。きっと、この手の話題に関心がある人にとっては役立ちそうなのでNOTEにまとめておきたい。

「論理」で健康本を読み解く

私は、ビジネス書(読書法・仕事術)なども好きで読むけど、「論理エンジン」で有名な出口氏の考え方に、健康情報を読み解くヒントがある。 まず論理とは何だろうか?論理には演繹法・帰納法という二つの軸がある。

「演繹とは、一般から具体を導く方法である。たとえば、数学や物理学には公式というものがある。公式は一般的、普遍的で、いつでも正しい。そうした公式に照らしあわせて、個々具体的な問題解決を図るのが演繹である。・・・それに対して、りんごが木から落ちる現象、月の満ち欠け、振り子や斜面の運動など、個々バラバラな現象から共通点を抜き出し、法則を導くのが帰納法である。」

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術 青春出版社 出口汪 P90

あくまでも、自分の身体管理限定だけど、自分なりの「法則」を見つけ出せるかどうかがカギとなる。何が良い、これが良い、という各論に振り回されないためには、この考え方が大事だ。出口氏は、予備校の講師時代に「論理」の使い方を覚えたという。

「一つ一つの入試問題は、何一つ同じものはない。その共通性を抜き取り、ある程度の法則性を発見してやれば、どんな問題も行き当たりばったりで解くよりも遥かに有効だと考えたのである。今思えば、まさに帰納法を無意識のうちに実践していたのだ。」

「次の年、自分の発見した法則にしたがって、個々の問題を説明していく。まさに今度は演繹的な講義をしたのだ。・・・私の法則には当てはまらない問題があった時には、自分の法則自体が不完全ではないかと疑った。そうやって、次第にあらゆるものに対応できるものに鍛え上げていく。・・・今思うと、演繹と帰納の日々の繰り返しが、私の頭をかつてと違うものに変貌させた。それは、だれでも読書を通じて、実践可能なものである。」(出口汪の頭がよくなるスーパー読書術 青春出版社 出口汪 P91-92)

これはそのまま、健康情報の読み解き方に当てはめられそう。

自分だけの「健康法則」を見つけ出すこと

自分の健康法に関して、最初から「これをやれば安心」という法則のようなものはないと知ることだ。自分で「法則」を発見していかねばならない。毎日の食生活が、自分の健康にどんな影響を及ぼしているか?毎日の食べたもの記録や健康管理ノート(体温・血圧・体重・体調・気分・排便)などから「法則」と言えるものを編み出していく。

それぞれ異なる意見を持つ著者の本を読む時に、単に机の上での勉強ではなく「実践」しながら、その結果から自分なりの「法則」を編み出す。今度は、その「法則」に則って、著者との対話をしながら新しい健康法を判断する。こんな読み方や、実践の仕方ができれば、巷にあふれる健康法の波に飲み込まれずにいられる気がしている。

これからも大量のインプット・アウトプットを続けていきたい。それにしても、この本はなかなかおもしろかったなぁ。健康本ではないんだけど、あふれる情報の波にもまれる人の読書術としておすすめだ。

#出口汪 #読書術 #読書法 #健康情報 #書評 #読書感想文

この記事が参加している募集

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq