マガジンのカバー画像

わが子を愛するすべての親御さんへ

12
運営しているクリエイター

#低血糖

「違っていい」

「違っていい」

光明が見えたとはいえ、相変わらず食は細いし、感染症には弱くて、幾度か娘は生死の間を彷徨います。妻は、疲れ果てているにも関わらず、増々ナーバスになっていきます。あるきっかけがあって、私は決断しました。
 
「私が、仕事を辞めて、娘を看よう。妻は、なるべく娘から離す」
 
「イクメン」とか「主夫」という言葉もまだなかった時代。しかも、大学時代は「宇宙一ええ加減な人間」と呼ばれていた私が、病弱な1歳半の

もっとみる
「一筋の光」

「一筋の光」

原因不明の痙攣発作、改善しない肝機能障害、甲状腺機能の低下、度重なる感染、一日3回溺れるように薬を飲ませ、点滴の針は娘の細い細い血管を潰し、問題は増える一方で、娘の命は陽炎のように揺れている。こんな生活がいつまで続くのか?と不安しかない毎日でした。
 
転機は、私の友人が知り合いの看護師さんを通じて、低血糖症の専門医を紹介してくれたことです。それまで懸命に対応して頂き、信頼していた医師を元を離れ、

もっとみる
「コミットメントするのは誰?Ver.2」

「コミットメントするのは誰?Ver.2」

生後、半年頃から娘の痙攣発作が頻発するようになりました。発作の状況から「てんかん」を疑われ、抗てんかん薬(フェノバール)を処方されたのですが、相変わらず発作は起きるし、娘も薬の服用後はフラフラになってしまいます。
 
妻は気づいていました。「お腹の減っている時にしか発作は起きない」
 
これを主治医に訴えますが、聞き入れてもらえません。僕も「先生の見解を信じた方が良いのじゃないか?」と内心思ってい

もっとみる
「死の淵、そして花火」

「死の淵、そして花火」

熟睡することなどできない入院生活を2年ほど続けたある夏の夜、私たち夫婦は、些細なことで、今、考えれば本当につまらないことで、互いに追い詰められてしまいました。
 
妻は、病室を出ていってしまいました。娘を放って探しに行くわけにもいかず、私は待っていたのですが、後で聞いた話によると、妻は、病院の屋上へ出て、そのまま、飛び降りようとしていたそうです。
 
(これで楽になれると…)心は穏やかだったそうで

もっとみる
「あり得ない低血糖症状」

「あり得ない低血糖症状」

血糖値は、健康な人であれば、通常、空腹時で100mg/dL(以降、単位省略)前後です。一般に、血糖値が70以下になると、人のからだは血糖値を上げようとします。また、血糖値が50未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。その時に出る特有の症状を、低血糖症状といいます。
 
ピンクの血の血糖値は、16でした。あり得ない低血糖状態です。おそらくほとんどのお医者さんもそのような

もっとみる
「ピンク色の血」

「ピンク色の血」

あなたは、指先を針で刺したことがありますか?刺した経験がある人ならおわかりになると思うのですが、少し黒みかかった赤い血液が玉のようになって、指先で留まりますよね。
 
血液は、血漿や血球で構成されていますが、血漿成分に糖(ブドウ糖)が含まれていて、その糖の濃度を血糖値と言います。おそらく血液にはこの糖が含まれているから、血液は流れ落ちず、少量であれば玉になるんだと推測します。
 
なぜ、そう思うの

もっとみる