不登校「子ども」のワードで検索するあなたに
あなたの抱えた問題を推察するのは、とても難しい事です。
パズルのように必ず当てはまるようなピースはないからです。
でも、パズルのピースを探すことはできます。
あなたに当てはまるピースは必ず、あります。
例えば、次の□の中に、あなたの気になっている
キーワードを入れてみてください。
□は、3つです
□1
□2
□3
次に、気になる順番に並べてください。
カテゴリーが
1子ども自身のこと
2学校など外的な要因のこと
3家庭的なこと
4将来の不安のこと
順番は関係ありません。
このなかのことでしょう?
1.子ども自身のこと(学校に行きたくない子どもの心理)
文部科学省の不登校の定義を記しておきます。
「不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により、
児童生徒が登校しないあるいはしたくてもできない状況にあること
(病気や経済的なものを除く)をいう」
定義を見ても分かるように、不登校のきっかけや理由は一つに絞ることは不可能です。
そして、一つのことが理由というわけではありません。
複数の問題が絡み合って生じると踏まえておいた方が良いでしょう。
このことからも原因や理由を探っても分からないと思っておいた方が良いと思います
しかし目の前の子どもは不登校に陥っている。
あなたは次のことを考えてみてください
子どもが学校に行きたくないと訴えるときの理由は様々です。
中心的な理由は心理的なものが多いです。
〇分離不安型
母親と離れることに対して強い不安を感じるというものです。
〇挫折型
がんばりすぎる子どもが陥りやすいです。
〇甘やかされ型
親の元で甘やかされて育ったために情緒面や社会性が十分に発達しておらず、つまずいてしまうと安全なところ、例えば家庭に逃げ込んでしまうもの。
〇転校や病気による長期欠席後の一過性のものもあります。
〇不登校に陥る背景には、本人の自主性や自発性の乏しさ、対人関係の未熟さ、自尊心の高さ、感情コントロールの未熟さ、母親の側が子どもにしがみついているなどの親子関係の問題と学校というシステムになじめないなどの社会性の問題もあります。
これらは一部で、もちろんあなたのお子様がそうであるとは言いきれません。
そんなこともあるのだなと受け取っていただけるとよいと思います。
2.学校など外的な要因のこと
学校は、社会と同じです。大人で言うところの会社や様々な外界との接触を意味しています。
そう考えるといかにストレスを受ける環境であるかと言うことが分かります。同級生や下級生、先生たちがいます。そのなかで勉強をしていく。苦手なことにもぶち当たっていきます。人付き合いもあります。勝手に休むわけにもいきません。親も様々な期待を寄せてきます。結構プレッシャーの強い大変な環境です。
このようなストレスフルでプレッシャーの強い環境の中で、子どもが普通にやっていけることが
むしろ不思議に思えてきます。学校とはそういうところでもあります。
学校が発する外的要因は、もちろん様々です。
上記の様子をイメージすれば、自ずと多くの要因が浮かんできます。
複雑な人間関係は、子どもには大変なことも察するに余りあることでしょう。
3.家庭的なこと
家庭環境も一考の余地があります。これは子どもの生育歴も含んでいます。子どもは家庭という環境の中で生まれて育ちます。大きく影響を受けるところでもあるのです。親の子育てもあります。親によっても変わってきます。
不登校は家庭の責任とはなりませんが、子どもの成長に関わって自ら振り返ることは大切です。
子育てが十分であるか不十分であかは、いくら考えても分かりません。不登校は学校に行かない状態ですから、学校がなければ不登校はありません。しかし、今がスタート時点と考えて、子どもの将来をどう望んでいくかは、子どもの側にいる大人の役割です。あまりこうあるべき論に囚われずに考えてみることが大切です。
4.将来の不安のこと
親の願いは
「子どもが大人になって豊かに安心して暮らし、幸せになってほしい」
ではないかと思います。
そのためには、「学校に行かねばならない」と思考は繋がっていきます。
でも、そうでしょうか?
私たちは、普通に学校に通って大きくなってきました。
学校に行くのが当たり前でした。
むしろ、
「学校に行くことに疑問を持ったこともなかった」
のではないでしょうか?
こんな例があります。
「オーストラリアは、大きな大陸です。内陸で住む子どもは、もちろん学校は近くにはありません。そこで、子どもたちは、ラジオを使って学習をしているのです。ラジオから流れてくる声に従って学習をしていきます。」
これは、学習は、どこでも「できる」という良い例ではないでしょうか。
内陸に住む子どもたちは、いずれ、そこに留まることなく自分の道を歩んでいくのです。
不登校への支援
不登校になると、そこから抜け出すことは容易ではありません。簡単に解決できない問題がたくさんあります。一般的にいくつかの段階に分かれて進行していきます。
「前駆期」
「前駆期」とは、友人とのトラブルがあったとき、保健室に行くことが増えたとき、登校するときに体調が悪く子なったときを指します。この時期は登校できていて、親は子どもの様子をよく見て変化を感じ取ることが重要です。適切に対応しながら登校を促します。
「初期段階」
前駆期が進むと「初期段階」になります。この時期には休み明けの登校をいやがることや、腹痛などの身体的症状がはっきりと現れてきます。無理に登校させず、見守り子どもを安心させるようにします。
「暴力期と内閉期」
「暴力期」「内閉期」へと進みます。暴力期では、学校の話をすると興奮したり、母親や年下のきょうだいなどへの暴力をしたりすることが生じます。内閉期では、自室にこもるようになります。このとき、生活リズムが昼夜逆転してしまうこともあります。暴力期から専門機関や学校への相談が必要であり、連携して支援することが重要です。
「回復期」
生活リズムがもとに戻り、外出など社会への興味が表れ出すと「回復期」になります。
本人のペースに合わせて登校するよう手助けをします。
「再登校期」
前駆期、初期段階、暴力期、内閉期、回復期を経て、再度登校できるようになる「再登校期」へと移行します。登校できるようになっても遅刻や早退は続きます。このように、不登校は進行の程度によって異なり、学校と協力し合いながら長期的なサポートが必要です。
不登校から再登校までの段階(まとめ)
前駆期
けんかや勉強などの悩みから心理的に不安定になり、登校する段階で気分が悪くなったり気分が悪くな不調が現れます不調が現れます。
初期段階
前駆期が進み、実際に不登校が始まる期間です。はじめは休み明けの登校を嫌がったり実際に体調が悪くなったりするなど変化が表れます。心理的に落ち込んでふさぎ込むようになります。
暴力期
学校の話を嫌がったり、母親や年下のきょうだいに暴力を振るったり家庭内暴力などの行動が表れます。この段階で必要であれば、専門機関などに相談します。
内閉期
自室にこもったり他人や家族に関わろうとしなかったりします。生活リズムが乱れ、昼夜逆転した生活に陥りやすくなります。
回復期
乱れていた生活リズムが元に戻りはじめ、外出することに興味を持つようになります。この時期になると一人での外出も可能になります。
再登校期
再度登校できるようになります。はじめのうちは遅刻や早退、保健室登校などが続く場合があります。焦らすことはせず、本人のペースと学校や専門機関の支援を活用しましょう。
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おわりに
不登校になっている子どもたちが年々増え、大きな社会問題となっています。現時点のお子様がどんな状況にあるか、ここまで読んで何かあなたにとってヒントになることがあったでしょうか。「たくさんの子どもが不登校に陥っている」ということは、あなたのお子様が特別ではないということなのです。むしろ、6才になった子どもたちすべてが、学校というシステムに入って、同じことを学び、同じように行動することの方が不思議なことにも思えます。
もうひとつの「ヒント」は、キーワードは「あなた」です。
「あなた自身」です。
子どものことを悩んでいるようで、実は悩んでいるのは自分だったということがあるのです。
検索されるワードに、「親」や「家庭」は、ありますが、非常に少ないという結果があります。
「悩みの本質」は、自分にあると。。。
どういうことか分かりづらいかも知れません。
「不登校の子ども」をもっているあなた自身の気持ちに目を向けてほしいのです。
そうすると、悩んでいるのは「子ども」ではなく、「あなた自身である」ことに気づくと思います。
そこから「子どもの不登校」との関わりがはじまります。
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