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精神科医がお勧めする聞き上手になるためのコツ5選

どーもこんにちはこんばんはもっちーです✋

突然ですが、みなさま精神科医のイメージはどんな風にお持ちですか?
「話を聞いてくれるんでしょ」
「話を聞いてくれると思ったら意外と聞いてくれなかった」
「言わなくても考えてること分かるんでしょ」
などなど「話を聞くこと」に関してのイメージが多いのではないでしょうか。
ちなみにもちろん考えてることを見抜く超能力はありませんので話してもらわないと分かりません。

「意外と聞いてくれない」という意見も耳にする事がありますが、実はいつでも長く聞くことが良いとは限らないという事もあり治療上の判断が意外と難しかったりもします。

ただ基本的には患者さんの持つ大変さを丁寧に聞き、その方にあったアドバイスやお薬を出す、また時には聞くだけで改善すると言うのが精神科医の役割です。

実際には外来業務の中ではおひとりにかけられる時間が10分未満であったりする事もあるので、なかなか長く聞くことが出来ないという実情もありますが。

本日は、時に応じ臨機応変に話を聞く事を生業としているわたくしもっちーがオススメする聞き上手になるためのコツをお伝え致します✋

コツ その1 否定しない

とてもシンプルですし、よく聞くので「そんなの知ってるよ」と思われたかもしれません。
ですが、シンプルかつ良く言われる事と言うのは世の真理であったりもします✨

「否定しない」ってことは「肯定すれば良い」ってこと?
と思いがちですが、そうではありません。もちろん肯定するのは大いに結構なのですが、「否定したくなる」事を言われた時に何でも「肯定」していては話がおかしな方向に言ってしまいます。

そんな時には「否定も肯定もしない」聞き方が必要になります。

精神療法の中で統合失調症患者さんに話を伺う際に非常に重要になるのがこの聞き方です。
時に統合失調症患者さんは妄想についての話をしてくれます。それは患者さんにとっては怖い体験だったり、周りには理解されないのではないかととても不安なことです。そんな時に「それは事実と違う」「そんなことは有り得ない」と否定してしまえば、その方はもう二度とその話をしてくれないでしょう。かと言って肯定すれば妄想を強めてしまう恐れがあります。そんな時には「不思議な話ですね」「大変でしたね」など否定も肯定もせず、相手の体験時の気持ちに寄り添うような言葉をかけます。
相手の気持ちに寄り添う言葉をかけると言うのは「否定も肯定もしない」上でとても役に立ちますし、相手の方にとっても聞いてくれてるなと感じやすいものだと思います。

コツ  その2  ながら聞きしない

これは当然だと思われる方が多いのではと思います。

ですが、本当にいつも出来ていますか?
ついスマホを見ながら話を聞いてしまう事は無いですか?テレビを見ながら、動画を見ながら対応してしまうことはないですか?

やってる方は気が付きませんが、やられている方はやっぱり寂しいものです。これで返答がうわの空だった時にはひと言言いたくなってしまいます。

「でも忙しいんだもん」
とついつい思ってしまいがちですが、相手に話しかけられた時に少し過剰にこれまでやっていたことをピタッとやめてそちらを向いて話を聞いてみてあげてください。
相手の方はとても大事にされていると感じて機嫌が良くなること請け合いです👍🏻 ̖́-

コツ  その3  分かったつもり禁止

精神科医として日々話を聞いていると、同じ話に感じたり、こういう事だろうなと分かったつもりになってしまう事があります。
ただ、分かったつもりになってはいけないと話を確認していくと全く違う話という事が意外に多いのです。
話す側と聞く側がこれまでに積み重ねてきた経験が全く異なる訳ですから、当然こういう事だろうという感覚もその分ズレが生じます。でも人間、自分が普通と思ってしまう生き物ですからズレが生じるなんて想像しにくいものなのです。丁寧に確認しながら聞くことは「ちゃんと分かろうとして聞いてくれてる」と言う感覚を持ってもらえる範囲で有効です。話の腰を折ってしまわないようには注意が必要です。

コツ その4 何回でも新鮮な気持ちで聞く

これは今回ご紹介する中でもしかしたら1番大変なコツかもしれません。
でもここまでのコツを読んでくださった貴方にはこのコツもきっと力に出来るはずです!

同じ話を何回もしてしまう方いらっしゃいますよね。きっと貴方の側にもおひとりくらいはいらっしゃるでしょう。最初は頑張って聞いていても段々とウンザリしてきておざなりな対応をしてしまう、あるあるですよね。
でもそんな時こそ貴方の聞く技術を遥かにレベルアップさせてくれるチャンスなのです!
いつも新鮮な気持ちで聞き、新しいリアクションを出来ないかチャレンジしてみましょう。

認知症の方も同じ質問を繰り返してしまわれる事がありますが、何十回でも同じ対応をするように心がけています。その方にとっては毎回新鮮な気持ちでお話しされてる事が多いですからね。

なかなかに大変なことではありますが、そんな貴方のことを周りはしっかりと見てくれていますよ。聞き上手な人と周りからの評価もぐんと上がることでしょう👏

コツ  その5  話の腰を折らない

これはコツその3とのバランスが難しく、どちらかと言うと上級テクニックになります。

相手の方が調子良く話している時はなるべく邪魔をせず、話してもらっちゃいましょう。タイミングを見て上手く質問出来るようになればかなりの聞き上手と言って間違いないでしょう。

以上精神科医がオススメする聞き上手になるためのコツ5選は以下のようであります✨

  1. 否定しない

  2. ながら聞きしない

  3. 分かったつもり禁止

  4. 何回でも新鮮な気持ちで聞く

  5. 話の腰を折らない

この5個のコツには共通した思いがあります。
それは「相手の話したい気持ちを尊重する」という事です。相手に話したい気持ちがなければいくら聞きたくても聞くことが出来ないですからね。1番大事なのは相手の気持ちだということですね。
相手の気持ちや背景まで思いやることが出来れば聞き上手を超えて聞きマスターにもなる日は近いでしょう!

目指せ聞きマスター!!


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