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ストレスが美容におよぼす悪影響とは?

昨今、男女関係なく肌のケアに力を入れている人は増え続けています。
日々の業務や私生活での疲れから、肌のケアが十分ではなく、肌荒れやニキビができてしまうという方は多くいるのではないでしょうか。
しかし本当の問題は、肌のケアができていないことが問題なのではなく、肌に影響するストレスに問題があるのです。
「ストレスは美容の大敵」などという言葉もあるくらいです。
今回の記事では、肌または美容にストレスがおよぼす悪影響を紹介しつつ、どのような行動が悪い習慣なのかなどを研究論文などを交えてご紹介します。

肌とストレスに本当に関係性はある?

よく「ストレスは肌によくない」と言われますが、具体的にどのような悪影響があるのか、十分に把握できている人は多くないでしょう。

コーネル大学による健康な女性を対象とした研究では以下のように考察されています。

本研究は、ヒトにおいて、急性の心理的ストレスと一晩の睡眠不足の両方が、皮膚バリア機能の回復を阻害することを実証している。
(中略)
面接ストレスや睡眠不足とは対照的に、運動ストレスはバリア機能の回復を損なわないことがわかった。このことは、バリア機能の回復は、肉体的スト
レスよりも心理的ストレスに敏感である可能性を示唆している。

参考文献[1]より当社翻訳

人体には体温や心拍、各臓器の働きを24時間コントロールする働きをもつ「自律神経」というものがあります。
自律神経には心身を活発にする交感神経と、休息させるための副交感神経があり、それらがバランスをとりながら、人の心と体を支えています。
私達はストレスを感じると、それに伴って交感神経に切り替わります。そうすると、血管の収縮や覚醒反応が起こり、この自律神経のバランスが崩れている状態が続き過ぎると、免疫機能の低下やターンオーバーも不調になりやすくなるのです。

そもそもストレスとは?

ストレスとは、「心や体にいつも以上の負荷がかかり、ゆがみが生じること」を指す言葉とされています。
ストレスは「ボール」と「圧力」の関係を例としてよく挙げられるのですが、心身の状態を「ボール」、ストレスを「圧力」とします。
小さな圧力がボールにかかると、少し凹むだけですぐに元の状態に戻ることが想像できます。
しかし大きな圧力がボールにかかり、凹んだ状態のままでいると、破裂する恐れが大きくなることが想像できるでしょう。

「ストレス」という言葉だけを聞くと、職場や家庭環境による不安や緊張などの心理的なものを想像するのではないでしょうか。
しかし本当の意味での「ストレス」とは、寒暖差や人体に有害な物質なもの、睡眠不足などもストレスの原因とされています。

ストレスを感じると心にも体にも影響が出る

ストレスを感じると肌の調子が悪かったり、気分も乗らなかったりするという経験は誰でもあるのではないでしょうか。
これは気のせいや感じ方の違いなどではなく、ストレスを感じると心身に影響があることが研究結果として立証されているのです。
ストレスを感じることで、自律神経が乱れ、その乱れにより血行不良が発生します。
そして精神的なストレスは肌のバリア機能の回復を阻害するという研究結果も出ているのです。
また心理的ストレスは肌にダイレクトな影響を与え、肌バリア機能が低下し肌トラブルが発生しやすい環境となります。

ポーラ化成工業株式会社らの研究では、ストレスとニキビの関連性が明らかになっています。

参考文献[2]より当社作成

また、この研究では、血液酸化度についてもニキビ患者と健常者との間に違いがあることがわかっています。

ニキビ患者群では健常者群より抗酸化力が低下していることがわかった。

参考文献[2]より引用

肌トラブルにはさまざまな要因があり、紫外線や喫煙、大気汚染物質、過度な運動などの日常的に発生する酸化ストレスが活性酸素を生じ、肌や体内に酸化ダメージを引き起こします。

自分にあったストレス解消・リラックス方法を

ニキビなどの肌トラブルにはストレスが大きく影響していることが分かったのではないでしょうか。
日々のストレスを解消することで、肌の酸化を防ぎ美しい肌をキープすることにつながります。
1日の終わりにはしっかりとリラックスできる時間を設け、副交感神経が優位になるようにした状態で睡眠をとることが重要です。
また、日常生活においてストレスと感じることを、上手く解消することで過度なストレスを抱え込むことのない心理状態をつくることも必要です。

自分に合ったリラックス方法やリフレッシュ方法を取り入れ、短い時間でも副交感神経が機能している状態をつくり、ストレスによる悪影響を減少させることを意識してみてはいかがでしょうか。
副交感神経が少しの時間でも機能すれば、ストレスを減らすことにつながり、結果として肌トラブルを減少させることにもなります。

引用参考文献
[1] Altemus M, Rao B, Dhabhar FS, Ding W, Granstein RD. Stress-induced changes in skin barrier function in healthy women. J Invest Dermatol. 2001 Aug;117(2):309-17. doi: 10.1046/j.1523-1747.2001.01373.x. PMID: 11511309.
[2] 高橋 元彦, 丹 美香, 木村 知史, 池野 宏(2008)『ニキビ患者および健常人における白血球分画, 酸化指標, ストレス度に関する研究


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