ストレス定量化って何?ストレス定量化の仕組みについて解説
ストレスの多い現代。すべての現代人が少なからずストレスを抱えているのではないでしょうか?
そして、やっかいなことにこのストレスは目に見えないので、他人にはなかなか分かってもらえません。そのため、知らないうちにストレスが増大していき、やがて爆発してしまい、精神的な病に倒れることもよくあります。
もしストレスが数値でわかれば、客観的に評価でき、かつ他者にも理解してもらえるようになり、会社の健康経営にも役立つのではないでしょうか。
そこで、開発されたのが客観的にストレスを測定する「疲労ストレス計」です。
本記事では、ストレス定量化について、わたしたちにどのようにプラスに作用するのかについてご説明します。
なぜ自律神経の働き具合がストレスを定量化できるのか
まずストレスを定量化できるという画期的なことがなぜできるのか? についてご説明します。
ストレスを定量化するためには、自律神経の働き具合を見て判断しています。
自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールしている神経で、心拍や呼吸・消化・発汗・血圧を制御。ストレスや疲労を感じると、この自律神経が異常な状態となり、心拍数が速くなったり、遅くなったりします。
たとえば、緊張したときは心臓がドキドキしたり、リラックスしているときは、心拍がゆっくりになったりするといったことです。
それらを分析することで、自律神経の働きや疲労、ストレス度がわかります。すなわち、自律神経の働きを見ることで、疲労やストレスを可視化できるのです。
ストレスのチェックや診断ができるアプリが多数登場
実は最近、ストレスのチェックや診断ができるアプリが多数開発されています。今や誰もがもっているスマホで、簡単にストレスチェックができるのです。
人気のアプリを以下に紹介します。
ストレスキャン カメラで手軽にストレスチェック!
Upmind 自律神経・瞑想・マインドフルネス・睡眠
COCOLOLO 心拍のゆらぎからストレスチェックできるアプリ
CARTE 自律神経をスマホで測れる!
このほかにもたくさんのアプリがあります。これらのアプリは、どれもスマホのカメラから自律神経の乱れを感知し、ストレスや疲労度をチェックできる仕組みになっています。
いつでもどこでも、無料でチェックできる機能は画期的ではありますが少し問題点も。おおよその目安が分かればよいというのであれば、スマホアプリも十分役割を果たしてくれるでしょう。
しかし、より正確に疲労度やストレス度を測定したいというのであれば、スマホのアプリでは正確性に欠けてしまうという問題点があります。
スマホのストレスチェックは正確性に欠ける
いつでも手軽にチェックできるというのがこのようなアプリの利点ですが、指の触れ方や微妙な動きにより、正しく測定できず正確性に欠けてしまいます。
かといって、一般の人が瞳孔や消化器官、発汗の状態などを手軽に管理するというのも現実的ではありません。そこでより正確に自律神経の働きを測定できるのが、Mental-Fitでも使用している、「疲労ストレス計MF100」です。
こちらの機器は、より精度を上げるために、「電気」「光学」の2方式で心拍、脈拍を測定します。これは、冷え性など指が冷たい人でも、電気を使ってデータを補いながら正確にストレスレベルを算出します。
つまり二方式の補完により誰でも安定的に欠損なく測定することができるのです。
この方法であれば、簡単かつ正確に測定ができ、正確な疲労度やストレス度の測定につながります。自律神経は些細な環境の変化に大きな影響を及ぼします。自然な状態で測定できるように、環境に左右されない測定方法が望ましいのです。
定量的にストレスを把握することで不調を未然に防ぐことができる
ストレスは目に見えないものです。そのため、知らないうちにストレスや疲労が増大し、精神的な病に倒れることも。
最近では、過労やストレスによる休職や退職などが社会問題化されています。
自分自身はもちろんですが、他人からも分かりにくいストレス。
「みんなしんどいのは同じ」
「自分は我慢が足りないだけだ」
そのように感じ、無理して働いている方も多いのではないでしょうか?
人材の損失は会社にも大きな損失となります。定量的にストレスを把握することで、目に見えないストレスや疲労度を可視化できます。ストレスを可視化することで、心身の不調を客観的に評価し、倒れる前に休息をとったり、仕事内容を変えたりすることができます。
そうすることで、疲労やストレスで突然倒れてしまうということも防げるでしょう。ストレスの定量化は会社とスタッフを守り、健康経営を推進するために重要な役割を担っています。
おわりに
何かとストレスの多い現代社会。会社と人材を守るためには、このストレス社会と上手く付き合っていく必要があります。
わたしたちは、目に見えないものを理解することが難しい生き物です。だからこそ、可視化することが大切です。
可視化することで、目に見えなかったストレスを客観的に見ることができます。ストレスの定量化は、自分自身を理解し、他者を理解できるようになるのです。
そしてそれは、思いやりあふれたあたたかい人間関係の構築にもつながります。ストレスをなくすことはできませんが、ストレスとうまく付き合っていくことは可能です。ストレス定量化はストレス社会と共存していくために、おおいに力を発揮してくれるでしょう。
【参考文献・資料】
岡庭豊(2020)『イヤーノート2021内科・外科』メディックメディア
「MSDマニュアル」(2020)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/