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ノート術のハヤリスタリ『インド式「グルノート」の秘密』を読んで

Twitterでフォローしている占い師さんが、ある本をご紹介されていた。

その帯には「ベンツに乗ったブッダになりなさい」と、なかなかキャッチーな言葉が並んでいて、ちょっと気になったのだ。

楽天で買おうかとも思ったけれど、年末のこのタイミング。届くのは年をまたぐかもしれない。

実は我が家から歩いて5分のところに、TSUTAYAの大型店舗がある。そこは数年前にStarbucksが併設されたおかげで、未購入の本でも2冊まで持ち込めるブックカフェシステムが採用されているのだ。本好きにはありがたいし、仕事で煮詰まった時は気分転換になる。

ちょっと気になる本で、とりあえず買うか迷う本はそこで読むことも多い。調べてみると、在庫があったのでそちらで読んでみることにした。

ちなみに本のタイトルは
『インド式「グルノート」の秘密』

今年の夏に、サンマーク出版から出ている本だった。自己啓発コーナーの端にひっそりと置かれていたから見向きもしなかったのだが、こうしてご縁があって出会うのがおもしろい。


以前も書いたが、小さな頃から本が好きだった。

行事ごとで車で30分の母の実家に行くと、ほぼ必ず帰りに本屋に寄って本を買ったり買ってもらったりしていた。

絵本だったりコミックスだったり、買うものは年齢に応じて様々だったけれど、両親も当たり前に本を読む人だったから(亡くなった父の蔵書を片付けるのはほんとに大変だったし)気になったら本を買うのが当たり前になっている。

(ちなみに図書館は借りた本を返しに行くのを忘れるので、調べ物のためにしか行かない)

なので、家から5分のところに本屋が建つと分かった時には両手をあげて喜んだものである。さらにそのあと改装でスタバが入って、読書スペースができた。本当にありがたい。


さて。
紹介されていた本である。

結論から言うと買わなかった。

ただ、今年は『書く瞑想』も出てるし、「自分を見つめるためのノート術」の出版が多いのか。

スピリチュアル系の本や女性向けの本では、自分を見つめるためのノート術や、インスピレーションが降りてくるノート術なんて本はごまんとあるので今年に限らないかもしれないけれど、一般向けの本でこういうのが複数出てるのは、やはり時代の流れのような気がする。

ストレス社会で、個が際立つ社会だから、そのストレスを誰かに聞いてもらったり、飲み会で打ち明けたりする機会が減っているのかもしれない。

「だから、ノートを使って自分のストレスをちゃんとケアしておこう。ついでに、未来への希望や叶えたいことと、それに向けて今したらいいことも毎日書いておくとよいよね。」

というかんじの本だった。

今までのノート術の本は、セラピー的な「自分の内側をケアしましょう。そうすると明日いい気分で過ごせますよ!」という文脈か、または、ビジネス的な戦略で「PDCAノートを毎日つけよう!」みたいな文脈のどちらかが多かった印象だけれど、それをかなりゆるくではあるけれど複合的にしているところが最近のムーブメントなんだろうな。

ビジネスがうまく行くことや自己実現も、心が健康であることも、どっちも大切だよねっていうフェーズに、現代の私たちはいるのかもしれない。

(ある意味当たり前なんだけれど、それが当たり前じゃなかった時代にいたのだな)

ちなみに、Amazonでレビューを見てみるとものすごく評価が高い。

たしかに、先述の「ベンツに乗ったブッダになりなさい」とか、「状態は、美しいか苦しいかのどちらかである」とか、インドのグル(導師)の言葉はとてもわかりやすく、思想も体系だっていて、なるほどと思う。

ただ、全体としてさわりの部分だけを概説しているように感じたのは、紙面的な問題なのか、書いているご本人はそこまでで十分だと感じてらっしゃるのか。



ノート術としても、ノートを書きなれていない人にはこれくらいがちょうど良くて、もうちょっとがっつりやりたい人は、毎日書くだけでなく1ヶ月後、3ヶ月後フレームワークがしっかりしてる『書く瞑想』の方がいいんだろうなとおもう。

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