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会員管理システム「Menergia」の誕生秘話と未来(前編)

11月1日は「いい医療の日」です。

あまり聞き馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、「いい医療の日」とは、2017年に日本医師会が、より良い医療のあり方について、国民と医師が共に考えながら、更なる国民医療の向上に寄与していくために制定した日です。

私たち、株式会社メネルジアも少しでも国民医療の向上に貢献したいという想いで、日々プロダクトの開発を行っています。

昨年の11月にクローズドβ版として一部のお客様に提供し始めた、医系学会・研究会専用の会員管理システム「Menergia」もその活動の1つです。
医療従事者の方々の負担を少しでも減らせるようにという思いで開発した「Menergia」は、ありがたいことに正式リリースから1年も経たないうちに多くの学会や研究会、同門会で活用いただくようになりました。

今回はその「Menergia」の誕生の裏側と目指す姿について、プロダクトマネージャーを務める河端さんにお話を伺います。


「Menergia」のきっかけ

ー そもそも、なぜ「Menergia」を作ることになったのですか?

河端:理由は大きく2つありました。1つ目は、以前より提供していた医学系専用の動画共有・ライブ配信プラットフォーム「iryoo.com」を通じてお会いする医療従事者の方々が困っていたことですね。
カスタマーエグゼクティブの吉尾の記事でも触れていますが、臨床の現場で多忙であるはずの医師の先生や医局の秘書の方が、少しの時間を見つけては学会の会員への案内や会費徴収といった学会の運営業務をされているのを目の当たりにしました。

医学系の学会や研究会は全国に数千~数万の数があると言われていますが、そのうち会員数が1万人を超えるような大規模な学会ではある程度の資金があるため、事務作業を外部の専門業者に委託したり、専任の担当者を雇用したりすることもできます。
一方で、その大部分を占める中小規模の学会では、理事の先生やその秘書の方がExcelやAccessなどを使い、貴重な時間を割いて会員管理や会費徴収を行っているというのが実情です。

そして、ちょうどこのような現状を見聞きしていた頃、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行に伴って連日テレビでは医療がひっ迫しているというニュースが流れていました。
こうしたCOVID-19の世界的大流行の対応で多忙を極めている医療従事者が、空いている時間で学会や研究会の事務作業もやらないといけないといけないという状況に驚いたと同時に、私たちの力で何とか改善することはできないかと考え始めました。それが「Menergia」誕生の大きな理由の1つでした。

そして、もう1つの大きな理由は社会的な意義です。

「Menergia」プロダクトマネージャー 河端

社会課題への挑戦

ー 社会的意義とはどういうことですか?

河端:日本という国は、少子高齢化が極めて顕著な国です。医療の現場においても、少子高齢化は「少子化」と「高齢化」という2つの大きな課題に直面しています。

まず問題なのは「少子化」です。
2000年には年間約120万人の新生児が誕生していましたが、2022年には80万人を下回り、2040年には新生児の数が60万人を切るという予測も出ています。この傾向のままでは、医療従事者を志す人の総数はどうしても減少する傾向になるでしょう。

さらに、この状況に拍車をかけるのが「高齢化」です。
2000年には17.2%だった日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口割合)は、2023年には29.1%にまで上昇し、80歳以上の人口割合は10%を超えました。つまり、現在の日本人の10人に1人が80歳以上だということです。
そして、この傾向は今後も続き、2040年には高齢化率は35%を超えると予測されています。

高齢者は若者と比べると、どうしても医療機関を利用する頻度は高くなります。
実際、厚生労働省の調査では、最も医療機関を利用しない「20~24歳」と比較して、「80~84歳」の世代では年間受診件数が4倍以上、1件当たりの医療費も2倍以上になっています。
つまり、高齢者が増えると、医療機関を利用する人の数も、1回あたりの診療負担も増えるため、医療従事者に掛かる臨床現場の負担はこれまで以上に大きくなるのです。

こうした時代の変化に備えて、医療従事者1人あたりがより患者と向き合う時間を確保できる環境が必要だと考えました。
そのために、私たちが出来ることとして浮かんだのが、私たちの得意なシステム開発を通して学会運営業務などの事務作業の負担を減らし、医療従事者の方々が臨床や研究に費やせる時間をより多くするということでした。

100名を超える医療従事者の声をもとに

ー 実際製品化を進めるにあたり、どのように開発するものを考えていきましたか?

河端:私は医療業界の経験が長くなかったので、まずは医療業界や学会についての理解をより深めるため、情報収集に力を入れました。
社内やネット上での情報収集ももちろん行いましたが、何よりも大事にしたのは実際の医療従事者の方の声でした。
従来の「iryoo.com」のサービスでお付き合いのあった医療従事者の方にお時間をいただき、プロジェクトの構想段階には20名以上の学会・研究会の担当者の方からお話を伺いました。このヒアリング活動は開発段階に入ってからも継続し、現在までに100名を超える担当者の方から意見やアドバイスをいただいています。

そのヒアリングを通して、学会には大きく2つの種類の業務があることを知りました。
1つは年に1~2回の学術大会の開催、そしてもう1つは日常的な学会運営です。
※学術大会…医師や研究者などが、研究成果の発表や情報交換をする場

前者については、年に1~2回の開催であることと、参加費やメーカーからの協賛金などを活用すれば、中小規模の学会であっても業務のほぼ全てを外部の専門業者に委託できているというのが現状です。

一方で、医師の先生や秘書の方が特に時間を割いていたのが後者でした。具体的には、各会員の所属先の異動に伴う情報更新や年会費の徴収、委員会やセミナーの連絡、会員名簿や学会誌の作成などの業務です。
私たちはまず、これらの負荷を軽減できるシステムを開発することを目指し、必要な機能の整理を進めていきました。

ー どういうところに気を付けて「Menergia」の開発を進めましたか?


前編はここまでです。
後編は「Menergia」の現在と未来について伺います。
河端さんの熱い気持ちを感じることができる内容ですので是非ご覧ください!

▼後編はこちらから
会員管理システム「Menergia」の誕生秘話と未来(後編)

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