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どついたるねん。

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きっと仕事のためにはならないでしょうが、暇つぶしにはなるかと思います。そんな、エッセイです。(2019/10/1〜2021/5/23)
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2019年11月の記事一覧

若手ならではの視点で頼む

小泉進次郎氏の入閣について、安倍首相は「若手ならではの斬新な発想での取り組みを期待している」と語ったらしい。 「若手ならでは」――この若手登用感と丸投げを両立させるキラーフレーズが重宝されるのは、政治の世界も変わらないようだ。 入社一年目の時分、自社のサイトに載せる文章を書いたことがある。 「サイトに新しくブログのコーナーを作るから、そこに何かを書け」と、部長が何の前触れもなく私に告げた。 広報でもライター職でもない私に白羽の矢が立ったのは、彼と席が近い新人であったか

ムカつくコンビニ店員松山さん

私はコンビニ店員に、丁寧な接客を期待しない。 そこに商品があり、レジで会計できること。求めるのはそれだけだからだ。 期待しないから、ひどい接客をされても、私はそこまで怒りを覚えない。 まあ、そんなもんだよな、と思う。 しかし、家の近所のコンビニの、松山さんという店員だけは、私はいつも許せないと思っている。 松山さんは、レジで会計をする前に、両手を身体の前で合わせて、お辞儀をしながら「いらっしゃいませ」と言う。 その「いらっしゃいませ」の声がいつも鼻にかかっていて、

顔を覚えるのが苦手な私と石森の話

今年の夏の真っ盛りに会社で研修があった。 グループ各社から年次もバラバラな若手社員が集められ、あらかじめ組まれたチームごとにワークを進めるタイプのものだった。 私の同期の石森と祢宜田は同じチームに割り振られていた。 始めにチーム内での自己紹介があった。 それぞれ所属と名前、あとは少し何かを喋る、よくある感じのやつだ。 祢宜田の証言によれば、石森は彼の自己紹介を聞いて、「あ、祢宜田って人、私の同期にもいます」と言ったということだった。 石森は人の顔と名前を覚えないこ

北風と太陽と麻雀

麻雀は最高のゲームだと愛好者は口を揃えて言う。 曰く、運と実力のバランスが絶妙であるとかなんとか。 最高かどうかには議論の余地があるが、良いゲームでなければアジアで3億人以上がプレイしないだろう。 私見だが、麻雀にハマれるかどうかの分水嶺は、ビギナーズラックに遭うかどうかだ。 麻雀を初めてやるきっかけは、きっとこんな会話からだろう。 「卓を囲みたいんだけど人が足りねえんだ。ちょいと混ざってくれよ」 「やめとく。ルール知らないし」 「そう言わずにさ。教えるよ」

やれないだろう脳内会議

『やれたかも委員会』という漫画がある。 男性が面接会場のような場所を訪れ、あのとき女性とセックスできた(やれた)かもしれないという思い出を語る。それを、男性2人女性1人計3人の委員会メンバーが「やれた」「やれたとは言えない」と判定する。 おおむねそんなフォーマットの漫画だ。 ラノベ主人公という言葉がある。 ヒロインたちから好かれ、しかしその好意に対して極めて鈍感な、ラノベにありがちな主人公を指す言葉だ。 その鈍感さはしばしば揶揄の対象になる。 しかし私は、最近ラノ

眠気から冴えるための、冴えないやり方

眠れないときにはどうすればよいのだろうか。眠いけれど、今寝るわけにはいかない、といったとき――。 たとえば一夜漬けの勉強中、自動車の運転中。 そして、オフィスでの仕事中。 眠気覚ましにコーヒーは王道である。 眠気を覚ますといえばカフェインだ。山といえば川みたいに。 しかし、私がナウ進行形の眠さを解消したいのとは裏腹に、どうやらカフェインに速攻性はないらしい。 レッドブルなどのエナジードリンクはカフェインと多くの糖を含む。 カフェインの効果については既述のとおりだ