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Youtubeで聴く南のオーケストラ 3.タイ①

 バンコクにはオーケストラがいくつもあり、活発に活動しているようです。コンサートホールでの演奏会だけでなく、チャリティの野外コンサートでポップスを演奏しているところもあります。
 ユニークなのは海軍のオーケストラで、フル・オーケストラで西洋クラシックからポップスまで多彩に演奏します。”ラプソディ・イン・ブルー”のマリンバ版は聴きものです。
 なお、バンコクとチェンマイ以外のオーケストラは、最近の発信があまり見つかりません。自動翻訳でタイ文字の検索も試みましたが限界があるので、もしご存じの方があればぜひ教えてください。
 長くなりすぎて編集できなくなったので、①でいったん終わります。②以下はこちら


①芸術音楽を多く演奏するオーケストラ

ロイヤル・バンコク交響楽団 Royal Bangkok Symphony Orchestra RBSO

創立 1982年(Royal名称は2016年から)
常任指揮者 Dr. Vanich Postavanich
公式チャンネル (演奏会の動画は再生リストSymphony Concert Performancesに)
公式ウェブサイト (英・泰)

 歴代王女様の後援で設立・運営されており、正式の団名には芸術委員会の委員長でもある王女Sirivannavari Nariratana Rajakanya殿下のお名前が入っています。西洋クラシック音楽や自国作品の演奏会をたくさん開いていて、ソリストも多彩です。2024シーズンにはセルゲイ・ババヤンが登場します。他方、アニメ音楽コンサートを、東南アジアで活躍する古澤直久さんの指揮で行ってもいます。常任指揮者のPostavanichはタイの出身で、九響を指揮したこともあるそうです。

チャイコフスキー 交響曲第1番「冬の日の幻想」
 指揮 Sunwook Kim
 2024年1月7日の演奏会から。

タイランド・フィルハーモニー管弦楽団 Thailand Philharmonic Orchestra

創立 2005年
首席指揮者 Alfonso Scarano (伊)
音楽監督補佐 Thanapol Setabrahmana
名誉創立首席指揮者 Gudni Emilsson (アイスランド)
常任指揮者 Pamornpan Komol Pamorn
公式チャンネル (演奏会の動画はたくさんあります)
指揮者Scaranoのチャンネル (こちらもたくさん)
公式ウェブサイト (泰・英)

 上のロイヤル・バンコク響とならんで積極的な演奏活動をしているオーケストラです。特に、毎シーズンにタイの作曲家に新作を依頼するなど、現代作曲家の支援に力を入れています。2022年には欧州ツァーも行っています。

レスピーギ ローマの松
 指揮 Alfonso Scarano
 2023年6月3日

タイランド・ナショナル交響楽団 National Symphony Orchestra of Thailand TNSO

公式チャンネル
国立劇場サイト内の楽団紹介 (泰)
公式フェイスブック

 タイ国立劇場(National Theater Thailand)にある国立オーケストラで、その原点は1911年、王宮に創設された弦楽四重奏団にさかのぼるという歴史があります。今日でも、王室行事・国家行事での演奏が主要な任務になっているようです。公式チャンネルでも、王族の記念日にかかわる演奏会の録画があります。
 ただ、タイ語で検索してもオーケストラ自身の詳しい情報がわかりませんでした。RBSO常任のVanich Postavanichが指揮していることが多いようです。

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
 指揮 Vanich Postavanich
 2020年10月17日

サヤーム・フィルハーモニー管弦楽団/サヤーム・シンフォニエッタ Siam philharmonic Orchestra / Siam Sinfonietta

創立 2002年(フィルハーモニー)、2010年(シンフォニエッタ)
創立者・指揮者 Somtow Sucharitkul
公式チャンネル(両者が属するOpera Siam)
公式ウェブサイト(同上)

 SFとホラーの作家・作曲家・指揮者というマルチタレント Somtow Sucharitkulが創立したOpera Siamに属するオーケストラです。シンフォニエッタはフィルハーモニーのユース・オーケストラという位置づけのようですが、2010年以降、公式チャンネルには主にシンフォニエッタの動画がアップロードされており、Somtowがフィルハーモニーで始めていたマーラー・チクルスもシンフォニエッタに引き継がれているようなので、よくわからないところがあります。創立時の指揮者にはTrisdee na Patalungの名前もありますが、動画のほとんどはSomtowの指揮です。

マーラー 交響曲第5番
 指揮 Somtow Sucharitkul (演奏はシンフォニエッタ)
 2023年2月27日

バンコク・メトロポリタン管弦楽団 Bangkok Metropolitan Orchestra

公式チャンネル
公式フェイスブック (英・泰)

 情報がほとんどないのですが、バンコク市の職員表に管理部門の役職者が表示されるので、市の文化・スポーツ・観光局音楽部に属する市立オーケストラなのはまちがいなさそうです。音楽専門家でオーケストラの責任者とされているのはนายสาธิต ชมเชี่ยวชาญ氏です。
 歌謡曲のバックを務める動画と、西洋や中国のクラシック音楽をとりあげた演奏会の動画がそれぞれアップロードされています。

 プーランク 2台ピアノのための協奏曲
 ピアノ Jayanat Wisaijorn 、 Tarin Supprakorn
 指揮 Soraphot Worasaeng 
 演奏時期不明(2023年5月にアップロード)

プロ・ムジカ管弦楽団 Pro Musica Orchestra

創立者・名誉指揮者 H.E. Admiral M.L. Usni Pramoj
芸術監督 Tasana Nagavajara
公式チャンネル
公式ウェブサイト (英・泰)

 ロイヤル・バンコク交響楽団と祖を一にするという歴史を誇る室内オーケストラ。ドイツの在外文化広報機関であるゲーテ・インスティテュートから長く支援を受けているとのことです。いろいろな出前演奏会を請け負っていて、西洋クラシックを中心としたオーケストラ・コンサートの他カルテット、ピアノ、バックバンドなどの動画もあります。バンコクでいくつものオーケストラに登場されていた矢崎さんが指揮しているこの曲、私はとても気に入りました。

M. L. Usni Promoj(創立者)  弦楽オーケストラのための組曲
 指揮 矢崎彦太郎
 演奏時期不明(2020年5月アップロード)

バンコク音楽協会室内管弦楽団  Bangkok Music Society (BMS) Chamber Orchestra

公式チャンネル
公式フェイスブック (英)

 オーケストラと合唱団で構成された非営利団体だということです。教会で宗教曲を演奏している動画が多いのですが、歌謡曲のバックや室内楽の出前など多様な活動をしているようです。公式ウェブサイトが消えていて、詳細がわかりません。

プッチーニ グロリア・ミサ
 指揮 Margaret Young
 オルガン Morakot Cherdchoo-ngarm
 2024年4月27日

バンコク・チャリティ・オーケストラ Bangkok Charity Orchestra

創立 2010年
創立者・音楽監督 Chulayuth Lochotinan
創立者Lochotinanのチャンネル
公式ウェブサイト (英)

 チャリティー活動に資することを目的とするユニークなオーケストラです。過去のコンサート記録では、チャリティーの目的と募金額が示されています。創立者のChulayuth Lochotinanは、アクセンチュアやPwCに勤めたこともあるファイナンスのプロでかつ、英国ハロー校で音楽の学位をとった指揮者でもあるというこれまたユニークな方です。
 動画で見るチャリティーコンサートはやはり歌手を招いた歌謡曲やポップスの曲目が多いのですが、西洋クラシックなど本格的なオーケストラ曲を演奏した動画もアップロードされています。

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
 ヴァイオリン Bing Han
 指揮 Chulayuth Lochotinan
 2022年6月25日

チェンマイ・フィルハーモニー管弦楽団(交響楽団) Changmai Philharmonic Orchestra (Symphony Orchestra)

公式チャンネル
財団公式フェイスブック (英)

 タイ北部チェンマイのオーケストラは、日本人ピアニスト瀬田敦子さんが音楽監督を務めておられるヒナステラ音楽祭・コンクールで演奏するオーケストラとして活躍しています。チェンマイ・ユース・フィルハーモニック・バンド&交響楽団財団のもとにあります。チェンマイ交響楽団を名乗っている時もあります。メンバーはチェンマイと近隣の大学生が多いようです。

グリーグ ピアノ協奏曲
 ピアノ 小暮里緒
 指揮 Chaipruck Mekara
 2023年6月10日(コンクールの受賞者演奏会)

②ポップス・オーケストラ


以下は後日別なノートにします。



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