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Think Your Shopping Mind

『Impulse buying(衝動買い )』 を変えることが『サステイナブル (持続可能) 』に繋がる。

・サステイナブル (持続可能)
・現在の日本のアパレル市場は衝動買いがほとんど
・ブランドに対する知的欲求
・ファストファッションの台頭が及ぼす弊害
・EC市場の消費行動
・二次流通に注目する世界
・Think your shopping mind

・サステイナブル (持続可能)

読者の方もサステナブル(持続可能)ファッションという言葉は知っているであろう。
私が初めてその言葉を聞いたのは学生時代。
ファッションのトレンドを紹介するセミナーで初めて知ったのを覚えている。
それから10年以上が経っているが、現状日本にはあまり浸透していない。
サステナブルとは一時期のトレンドワードではなくこれから私達人類が存続していくテーマでもある。
現在アパレル業界では大企業を中心にそのテーマと向き合い様々な活動をしている。
特にファストファッションはInditex要するZARA、H&Mなど欧州の企業はかなり積極的だ。またデザイナーズブランドでもサステナブという課題にアプローチするブランドも結構増えている。
実際に消費者にとって何がサステナブルなのか、そこについて考えた事があるという人は日本にはあまりいないのではなかろうか。
例として私のサステナブルの取り組みを紹介する。

1、衝動買いをやめる

2、無駄に洗濯をしない

3、デイリーで着れる服を買う

以上である。
これを聞けば無意識に自分がサステナブルだと思った方も多いはずだ。

しかし、日本のアパレルの年間廃棄量は100万トンとも言われる。
そのうち売れ残りが14億点に及ぶ。
消費者は売れ残りの数字を考えるのは難しいが廃棄物問題を無視する事は出来ない。
私は現在の売れ残りの原因に
「需要と供給のバランスが完全に崩れている」
という専門家の方がよくおっしゃる事は確かだと思う。
私は原因は社会が作ってしまったと考えている。
お店の服の売れ残りと家に着ない服が大量にあったりするのは通じる物があると考えている。
そして消費者のショッピングの仕方も一緒であると思っている。
もちろんオシャレをする事は楽しい、だがショッピングについて考える事自体を止めてしまっている人がいる。
今回は先進国との比較を踏まえてショッピングの楽しみ方を少しバージョンアップする参考にして欲しいと思う。

・現在の日本のアパレル市場は衝動買いがほとんど

以下で紹介するものは日本のアパレル市場売上ランキングです。

1位 ファーストリテイリング (国内8,729億円)

2位 しまむら 約5,460億

3位 青山商事 約2503億

そしてアパレルECは
(2019年売上高)

1位 ファーストリテイリング 630億円

2位 ベルメゾンネット 350億円

3位 BAYCREW’S STORE 340億円

ゾゾタウン 1180億円

グローバルブランドのファーストリテイリングが圧倒的ではあるがやはり低価格帯ブランドが強い。
安いものが売れている事はわかる。
仕事柄ゾゾタウンの商品リサーチをするがだいたいランキング上位は低価格帯ブランドが名を連ねている。
これについて私たちはどのようにしてお買い物をしているか考えた。
結論、
アパレルに関しては圧倒的に衝動買いが多い。
たとえお店に行って接客をされて買うにしても、30分もあれば購入するだろう。

ユニクロの商品でさえ我々は必要以上に購入しているはずだ。
ショッピングが娯楽という認識があるとストレス解消でもショッピングをする。
そして低価格帯の商品であればより消費者は手を出しやすくなる。
もちろん中には服にお金を使わない若者が増えている事実もある。
それでも家具や電化製品を買いに行く頻度よりは明らかに多くコンビニより少ないというのが実態ではないだろうか?
そして買い物に出かけて何も買わずに帰ってくる事が一番少ないのもファッションではないだろうか。

欧米諸国に比べ明らかに日本人は遊びが下手で、ストレスを感じやすい体質があるという事を海外生活を通して実体験したからだ。
海外留学経験者や在住していた方とこの話をすると必ずと言っていいほど日本にいる時と海外生活でのライフスタイルの違いを話す。
日本人は消費行動に走りやすい体質で金銭的に余裕を持った買い物を常にすると私は思っている。
そして私達はSNSという新たな娯楽によってさらに消費行動に走りやすくなった。

・ブランドに対する知的欲求

皆様はルイヴィトンのブランドコンセプトをご存知でしょうか?
意外と我々が知っている有名ブランドでさえよく知らない。
インターネットが急成長する中ブランディングという言葉が先走りしてラグジュアリーブランドが高い理由を
宣伝、高級な店舗に経費をかけているからという見方をするからだ。
これは本来ブランドの歴史を見ないとわからない事で資金があるからできる事ではない。
ルイヴィトンの商品がどういう作り手の想いがあって誰に向けて作られてきたのかを知る必要がある。
現代では広告塔に魅せられてブランドの商品を購入する人も多いが、それではその商品の価値を知る事はできない。
消費者である我々はその作り手の事を知る必要がある。
これを知らずに買うという事は
友達が紹介する誰が作ったかわからないおにぎりを食べるのと一緒である。
ファションの楽しさとは自分がオシャレをする事だけでなく、作り手の思想に触れ考える事でよりファッションを楽しむ事に繋がると私は思う。
若い人だけでなく知的好奇心を持って作り手の事を知るのは大人である我々に新たな楽しみをもたらしてくれるのではないだろうか?

ブランディングとは何も経費をかけて宣伝し高級な店舗があるから
私は最近のキャラクターブームからアートに触れていた時の記憶を思い出した。欧州では歴史的建造物や絵画を日常的に目にするので彼らは大人になる段階ですでにモノの本質を見る目が養われていると仮定する。そうすると消費者であろうと例え千円の服であろうと勝手に自分に必要かどうか、そのブランドの背景や作り手のメッセージを感じ取れる気がする。
ブランド価値というのは最近だとリセール価格や知名度が一般的な認識である。
物作りに対する姿勢やそのブランドの価値観に共感している人はどのくらいいるであろうか?
作り手の想いというのをしっかり把握して購入している人はおそらく消費者には少ない。
これを読んでいる読者の皆様もパリコレというのは一度は聞いた事があるのではないだろうか?
そうランウェイを綺麗なモデルが歩いているショーである。
実はランウェイの最後にそのブランドのデザイナーが出てきた時に拍手が一番大きくなるのを知っているだろうか?
洋服の背景には作り手の想いがあり、毎年デザイナーは服にメッセージを込めている。
世界に視野を向け様々なメッセージを送っている。
その付加価値に共感し商品を見た時に初めてその服の価値がある。

・ファストファッションの台頭が及ぼす弊害

ファストファッションが日本で根付いたのは2010年頃だろう。
我々の選択の幅が増えオシャレをする喜びを与えてくれた。
当時H&M、フォーエバー21などが日本に進出し
ユニクロ、ザラなど
ファストファッションブランドは大流行し今でも若い方を中心に多くの人が利用している。
しかしそれと同時に消費者である我々に大きく2つの弊害が起きたと私は考える。
一つ目は衝動買いの加速化である
安く手に入る洋服は我々に考える事を忘れさせノリで服を買う事を覚えさせた。
それが本当に必要なのか、いつ着るのかもわからずなんとなくオシャレだしあったら良さそう。
ファストファッションの店舗に入ると自由になった気がするという魔法にかかるのである。
二つ目は 安いモノを選ぶ
物欲を満たすために我々は消費行動を起こすのであるが、妥協する事を選ぶようになった。
お金に余裕がないか我慢ではなく安いモノなら買得るという錯覚に取り憑かれている。
二つに関して共通するのは我々が考える事を放棄するようになった事だ。

・EC市場の消費行動

そして現在では店舗だけでなく24時間お買い物が出来るオンラインショッピングがある。
ゾゾタウンやメルカリなど現在アパレルにおけるECサイトので売れているモノは低価格帯である。
洋服に関して試着ができないからという理由で高価格帯を購入しないという事を消費者だけでなく企業側の意見でもよく目にするが
ではなぜ低価格帯なら良いのか?
スーパーや車を使用する人ならガソリンを給油するとき、五円の差で消費をためらう。
なぜ五百円の必要かどうかも定かでないモノは買えるのか?
本来は生活をより豊かにするためにオシャレを楽しむのに生活を犠牲にしている事に気づいてないのかもしれない。

・二次流通に注目する世界

ファッション業界では現在2次流通のブランディングを計る企業が増えている。
2次流通とはリセールだ。
2017年11月にニューヨーク、ソーホーに初店舗進出を果たしたザ・リアルリアルは今年2019年6月にナスダックに上場を果たし7月には新たに約126億円を調達している。
これには企業側の力もあるがそれだけ海外では中古品に需要があるという事がわかる。
実は2013年から日本にも進出していた事がわかった。
しかし2016年には撤退している。
これにはメルカリやラクマの台頭も考えられるが世界的にリセールマーケットはかなりの需要がある事がわかる。
現在日本でセカンドハンドブランディングを行っている所はほとんどない。
私が調べたところだとRINKANくらいだった。
新品で安く買うか、良いものを中古で買うかという問いに対しては個人が選ぶべきだ。
しかし、現在我々が抱えている問題を基に買い物するのであればどちらだろうか?
もちろん新しいモノを買うべきときもある。
しかし、ファッションを楽しむ観点で言えば必要以上の服を持つという事になる。
最近ではブランドのアーカイブ展なども多くブランドの事を知る機会が増えた。
そのブランドの時代背景や作り手の思想など多くの事を知りファションを楽しむ事ができればファッションをもっと楽しむ事が出来る。

・Think your shopping mind

ここまで各項目について私の考えをまとめると一つの想いがある。
それは常に問題を考えるという事である。
インターネットがここまで生活に密着している中で娯楽のためだけに利用する人がまだ感覚的に多くいると思う。
しかしインターネットをもっと有効活用できるのは世界で起きてる様々な問題を知る事ができるという事だ。
それが我々の消費行動から影響する事であると知れたなら少なくとも考えていくべきだと思う。
日本で生きている私達日本人は普段から危機的状況に置かれる事が少ない。
しかし島国とはいえど世界は常につながっている。
自然災害が起きた時われわれは必死でできる事を考えた。
でも、日常的にそのような事が世界では起きている。
それが私達が生活する環境の中で目にする事ができているなら考えていく事で世界はよりよく発展すると思っている。
お買い物をする時に消費者として知るべき情報を得て買い方を考える事はファッションの場合では、サステナブルについて考える事であったりそれに付随するエシカル…
これらは企業側がいくら良い提案をしていても消費者の意識が変わらないと解決せず、良きせぬ需要が続いてしまう。
そうすると企業側も会社存続のために需要に合わせざるを得ない。
私達消費者はお金を払って買ったら終わりではなくそのあとの問題をお金を払って買ったから企業と一緒に考えていく事が必要な時代に生きている。
皆様と一緒にファッションの楽しみ方を創出していける事を願ってます。

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