初めての独演会
数日前にとある落語家さんの独演会なるものに初めて行きました。
去年の秋ぐらいから落語を聞くようになって、これまでにそれなりの数の噺を聞いてきたような気がします。それなりに落語に触れているもののYouTubeに上がっている音声でしか落語を聞いたことが無く、生で聞いたことはこれまでありませんでした。
なので、いつか東京に行ったら寄席に行って1日落語漬けの日を設けてみたいってのが生きているうえでの夢というか、いつか実現させたいと思っております。
とはいえ東京に行くにはお金を貯めねばなりませんし、ろくにバイトも続けられないような人間なので、普段の生活をどんなに切り詰めたところで東京に行くのにはまだまだ時間がかかってしまうのも明らか。
こうして「いつの日か」を夢見て生活していましたら、先月の末に6代目三遊亭円楽さんがお亡くなりになられました。一度でいいから円楽さんの語りを生で聞いてみたななんて思っていたのですが、今となってはもう叶えようがありません。
そして私は思いました。
「いつかを待っている間に聞いてみたい人の落語が聞けなくなっちゃうのではないか」と。
なので東京に行くよりも今住んでいる地域で開かれるイベントに行った方が確実に聞きたい人の落語を聞けるのではと思い、今回初めての独演会に行ったという訳でございます。
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まず、会場に行ってみて思ったのは年齢層が高めだなということです。若い層の人もちらほらと見受けられたのですが、やはり圧倒的に高齢層が多かったですね。
落語を聞く若い人が少ないからなのでしょうか。逆に独演会に来られていた高齢層の方たちが、どのタイミングで落語を聞くようになったのかも気になりますけれども。
開演時間ギリギリで会場するとすぐに某笑点の司会者の方が登場されて、オープニングトークが始まります。最初から着物を着ているものだとばかり思っていたので、私服で登場してお話になる姿はちょっと意外でした。
オープニングトークが終わった後はまずお弟子さんが一席やって、その間に師匠が着替えるという感じでした。何も最初から最後まで師匠1人でなされるわけではないのだなと思いつつ聞いていたところ、お弟子さんの噺の世界に少しずつ引き込まれていきます。
一言目の喋り方からして話が面白い人なんだろうなというのを感じていたのですが、本編に入ると見事に登場人物を演じ分けるのです。ちょっとずる賢くて生意気な子供、あたふたしながら子供に踊らされる父親、そして別の場所にいる母親と。
噺の長さ的には15分くらいかと思うのですが、一度始まるとあっという間にサゲがやって来て、体感的には5分もありませんでした。
その後師匠が出てきて軽く雑談をされるんですけど、これがまた凄くて。笑点の司会をされているということで、笑点メンバーの裏話的なものを交えながら見事に観客から笑いをかっさらいます。ご長寿番組の司会者って凄いなと思いましたね。
その師匠は3つの噺を話されたんですが、短いものを2つと30分くらいの長いものが1つという感じでした。
3つ目の長い噺は以前聞いたことがあったんですけど、やっぱり生で見ると違いますね。噺の内容はなんとなく知っていても師匠の動作とか口調とかに釣られて笑ってしまいますし、サゲに向かって盛り上がっていく中で会場中が笑いに包まれていることで自分もついつい笑っちゃうみたいな感じで最高に楽しかったです。
「これで30分も経ってるなんて嘘でしょ!?」と言いたくなるくらいにあっという間で、でも楽しくて、最後に幕が下りてくる頃には「もっと見続けていたい」と思うくらい落語に浸っていた時間でした。
落語を聞くようになって良かったなという思いと、東京に行って1日落語漬けでもずっと楽しめそうだなと思った独演会でした。
そう頻繁に行けるものではありませんが、機会があればまた聞きに行きたいですね、落語。
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