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私は本当にその勉強がしたいのか??

会社員ズブズブで生きているとたまにこの課題にぶち当たる。

自己紹介noteにも書いたけれど、私は一時期出資関連事業に携わっていて。

具体で言うと
・M&Aする(企業を買収する)
・合弁会社つくる
・株を買う(出資する・増資する)
・弊社がもっていた別企業の株を売却する
など。

この仕事をするまではいっっっっさい「財務諸表」「株式」「財務」「デューデリジェンス」などなどというワードにほど遠い部署にいた私。もといた部署が分割されて、思いがけないキャリアへ進むことになった。

知識難易度の高さや、エグゼクティブなステークホルダーとの関わり方など、明らかに私だけ知識足りてないヒヨコ状態に毎日ヘトヘト。
IRも読み解けない私が、銀行出身、外資コンサル出身、弁護士、会計士を率いて案件を交渉していかないといけない状態だった。

こ、これはいかん……!と、まず(もちろん)財務諸表の読み方を叩きこんだり、企業買収のフローを叩きこんだりと必死で勉強していた。

当時お世話になった本たち。

目の前の実務をきちんと率いていくための勉強は当然の努力だと思った。実際、ヨチヨチ歩きの私にハー○ード大学院出身の屈強な(脚色)外資コンサル出身トリリンガル先輩が「できるようになってきたね」と褒めてくださった。

しかし、だんだん「have to」と「want to」にギャップがうまれはじめる。

幸いなことに、その部署には未経験から配属された同い年の女の子がいた。いつも2人で「今日の会議でわからなかった用語リスト」を洗いだしたり、ときには互いの案件からノウハウを渡しあったりと最強の仲間だった。

ある日、2人で「(なんか業務に役立ちそうだし)簿記、受けてみない?」と話した。互いに3級すらもっていなかったが、調べてみると飛び級で2級にチャレンジすることもまぁ珍しくはないそう。

「よし、簿記初心者だけど2級にチャレンジしてみようぜ」
と思い立ったのが8月。次の試験は11月。3ヵ月しかない。

簿記2級の合格に必要な勉強時間は250〜350時間と言われています。 この時間はあくまで簿記3級を保持している場合で、1日3時間の勉強で約3〜4カ月かかります。 簿記初学者が2級を目指す場合は更に時間が必要で、350〜500時間、約6〜8カ月をみておきましょう。

Abitus

待ち受けていたのはキツすぎて号泣しながら勉強する日々ッ。精神病むかと思った。同期という仲間がいたぶん余計に、自分だけ不合格はしょっぱいなと思っていたのでさらに必死に。結果、合格率18.2%の時代に無事、同期も私も合格。合格ラインより2点上回ってた……ギリ……ッ!

無謀なスケジュール感で試験合格を目指したストレスもあったけど、簿記の勉強しながら感じていたのは「これ、この環境にいるから必要に思えた資格なだけだよなぁ」。

この環境=職場(職種)。
この仕事をしてるから必要そうに思える勉強。
皆がもっているからなんとなく自分ももっておかなきゃいけない気がする資格。
これに段々と頭が支配されてきてしまって。


基本、勉強すべきものが尽きることはない。
銀行に10年、コンサルに15年、弁護士、会計士、その道のプロたちのレベルに自分をもっていこうとすれば、あれもこれも学ばないといけない気がする。

○○する時間あったら会計の勉強をしないといけない気がする、M&Aフローについてもっと知識を深めないといけない気がする。

あれ、でも私、英語の勉強がしたいなあ。
将来的にはライターをがんばりたいから、記事を書く経験だって積みたい。中国アニメにハマった。中国語を勉強してみたい。
でも、会計やらなきゃ。

そして、どんどん追い込まれていってしまった私はある日、腹を割って話せる間柄だった上司との1on1で、さながら三井寿の形相で言うのです。
  

この仕事をしているからやらなきゃいけない勉強より、人生のために必要な勉強をしたいです……。
  

当時は当時で精いっぱい仕事に向きあっていたし「こんな貴重な経験ができるのはこの職種だけだ」と有難さも感じていたけれど、結局は"流されて"配属された部署だった。

楽しくてアドレナリンが出まくる瞬間だってたくさんあったけど、人生というスパンで見たときに自分の目指すキャリアではなかった。

目の前にある「勉強」が、狭い枠のなかでの「have to」な勉強なのか、人生や、理想の姿に向けた「want to」の勉強なのか。

ざっくり言ってしまえば「私は本当にその勉強がしたいのか!?」の問いは、まじめな性格の人間であればあるほど必要なことに思えた。


結果、簿記2級を短期独学で突破した経験は知識以上にメンタルに自信を与えてくれたし、世の中の数字への解像度もとっても上がった。受けてよかったともちろん思っている。

どんな勉強だって、それが無駄になることはないけれど、限られた時間の使い道は自分に問いかけながら選びたい。

お察しのとおり、1on1で上司に相談したときは勉強云々の前にそもそも「この部署に居続けたいか」というキャリアそのものの悩みも含んでいた。

その後、上司は親身に私のキャリアに向き合ってくれ、結果的にマーケティング部署への異動の背中押しをしてくれた。

Amazonで参考書をポチるとき、本屋で棚前に立っているとき、学習スクールを探すとき。ちょっとだけ一呼吸して「私は、本当にこの勉強がしたいの?」と考えてみるのもいいかもね。義務感の勉強は長続きもしないから。

おわり。

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