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コストコ「超楽しい」と「超苦しい」は表裏一体

現在、実家(熊本)に帰省中。
突然だが、2021年に熊本に激震が走った「事件」をご存じだろうか……。そう……、2021年4月1日、コストコがオープンしたのだ!!!!
熊本県民は狂喜乱舞し、しばらく周辺は混雑が続いた。

昨年の夏頃に、母が会員に。
とはいえ、出不精の母はなかなか1人で行く気にならないそうで、私が帰省するタイミングにあわせて2人で行くことがほとんどだ。

今日も今日とて、メンバーシップの更新と、暇つぶしを兼ねて、母とコストコに行ってきた。


毎回だが、
コストコに行くたび、めちゃめちゃ複雑な気持ちになる

まず、コストコは楽しい。
普通のスーパーでは出会えないサイズの商品や、オリジナル商品に出会える。田舎出身の私にとっては、じゅうぶん、ひとつのアミューズメント施設のような感覚だ。とはいえ、独身にとっては、買ったとて狭い家での保管場所が厳しいものや、期限までに食べきれないものが多いけれど。実家にいるからこそ気兼ねなく買えるものがたくさんあって、行くたび「コストコたのしいな〜ホットドッグ安いな〜〜〜オニオンいっぱいいれよ〜〜〜っと!!」と楽しんでいる。

一方で、それがA面の感情だとしたら、B面では常に「苦しい場所だ」とも感じている。

行き交う人々のカートいっぱいに積まれた大容量のパン、寿司、サラダ、お菓子、ロティサリーチキン、箱、箱、箱……。自分と同世代、なんなら若いであろう外見の夫婦が子ども3人引き連れてカートを引いている。「あぁ……もう3人もお子さんが……」と思いながら店内をすれ違う。

母と同世代とみえるおばあちゃん・おじいちゃんが孫をたくさん連れて買い物をしている。「本当だったら、うちの母もこうやって……」と、目をそらしてしまう。


コストコのカートいっぱいに積まれた商品を見ると、その先に「(大)家族」や「仲間(ホームパーティー)」を妄想してしまう。いずれも今、自分と距離のあるワードだからこそ、すこし苦しくなる。

正確には、仲間も友人もいるけれど東京に10年もいれば「熊本でわーきゃーできる仲間やコミュニティ」はずいぶん薄くなってしまった。

幼い頃から、周囲を見て勝手に受け取っていた「20代で結婚して第一子を産み、30代になれば一軒家を建てる。子どもは3人以上で、和気あいあいと三世代で暮らす」という「正解」が苦しくて、ずっと地元を抜け出したかった。

今は、いくら田舎といえども、そんなステレオタイプな考えは徐々に薄れていると思うものの、事実、東京の女友達の既婚率が1割程度なら、地元にいる学生時代の女友達の9割は結婚して新たな家庭を築いている。コストコの風景で私は、刷り込まれた「正解」を身体中に浴びに浴びまくってしまって背中にじっとり汗をかいてしまうのだ。

家族に囲まれていても悩みを抱えているひともいる。単身で生き生き暮らしているひともいる。それぞれのライフスタイルに、価値や幸せがあると信じている。
だけれど、お互い、対岸の暮らしを羨ましく思うことも、そりゃあるよね。


コストコは楽しい、でも苦しくもある。
今とは違う世界線をすすんだ自分も、実は楽しかったのかもしれないな」と思いを馳せてしまうから。


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