見出し画像

1. 生に出でて死に入る(せいにいでてしにいる)

生に執着しないのが上手な生き方


老子は、生まれて死んでゆくのが人の運命であるし、長生きの人もいれば、若死にの人もいるので、それに執着しない事が大事だと言っています。

そして逃げ腰で生きる人、強引に生きる人、自ら死に向かう人、それらの特徴は「あまりにも自分を守ろうという執着」であり、それがかえって自分の生きづらさを自分で大きくしてしまうと言っています。ですので生きることに力み過ぎない事が大事だと言っています。

私事ですが、引きこもりの息子の子育てを支援してくださっていた、専門のサポーターの方がいまして、もうかれこれ3年くらいお世話になっていました。

私と同年代のとても元気な方で、いついかなる時も「大丈夫大丈夫、慌てないよ、お母さん!」「大したことないよ、まだまだ!」と体育会系のようなノリで私の子育てを励まして下さり、なかなか意思決定が苦手な息子の事も辛抱強く見守ってくださっていました。

私は再婚ですので、そのサポーターの方はそういった事情も踏まえて本当に常に熱く私たち親子を励ましてくださり、私にとって彼女は身内同等の心の支えとなっていきました。

つい先日電話で話した時も、元気いっぱいの口調で、最近はお薬について学び始めていると言っていました。向上心もすごく、勢いが止まらないような感じさえしました。

それがある日、メールしても返信がなく、電話も出ない。おかしいなと思っていたところ、ちょうど事務所から連絡が入り、7月7日に彼女が脳梗塞で突然亡くなったことを告げられました。

私はしばらく放心状態で、いまだに信じられずにいます。そして自分の息子のことが彼女の大きな負担になっていたんじゃないかと悔恨の念にとらわれていきました。

そして何より、人間とはこんなにもあっけなくある日突然亡くなってしまうものなんだと、これまでの人生でこんなにも身近にリアルに感じたのは初めてかもしれません。何しろ彼女は明るく前向きで、全く「死」を想像させるような人ではありませんでした。

そんな中でフォローしていたクリエイターさんの「凪平コウ」さんのお勧めの一冊で、「老子」を少し前に購入していたんですが、読めずにそのままになっていました。

そしてふと読み進めると、上記の「生に出でて死に入る」が目に入りました。

「生まれたものは皆死んでいくんだから、そればっかり気にしててもしょうがないじゃない」と老子が励ましてくださっているようで、少し心が楽になってきました。そして自分を責めるのはやめようと思えてきました。

この様な経験で私と同じように心に重いものを抱えている方は、どうかご自分を責めずに、ご自身に「これは自然態のことなんだよ」と自分に言ってあげて欲しいです。生きることと死ぬことは自然の理であるのです。

前アカウントを諸事情で閉じ、新アカウントで再出発です。旧アカウントを閉じたのは別の理由でしたが、そのタイミングで起こったこの出来事が私の今後の生き方のヒントになっていると解釈しました。

キーワードは「自然態」です。

そんな訳で新アカウントでは「老子」を基に、皆さんに飾らない言葉で自然態の幸せをふんわりと伝えられたらと思います。

それでは、今後ともよろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?