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「不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術」を読んで、生まれた感情

不登校。うつ病。心の病。このご時世に、聴き慣れてしまったワード。

本日は、不登校を経験し、適応障害を患いながらも、ライターとして生きる「山口恵理香」さんの本を読みました。

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この本を買った目的は、「売れっ子Webライター」というワードに惹かれたから。どんな風にライターになれたのか、単純に興味があったから。

アマゾンのレビューは「感動した」「涙が出た」「努力がすごい」等の感想が並んでいたが、私の読んだ率直な感想は

読んでいて、とても苦しかった。

これは、読みずらかったとか面白くなかった、ということではない。読んでいて、筆者の苦しさや、辛さが伝わってきたからである。

この本は、14歳でいじめを受け不登校。のちに、適応障害と診断された筆者が不登校ながらも大学に合格。適応障害の病を抱えながら、フリーランスのWebライターになる。という話。

タイトルには仕事術とあるが、この本を読み進めていくと、どうやってライターの仕事を獲得したのか、功績を作ったのか。ということより

適応障害という病を、自分で受け入れた上で、どう社会と向き合い居場所を作り、生きていくことを選択していくのか。

という方に重きを置いているように思える。

ライターになりたい人に向けられたものではなく、不登校や適応障害などの心の病と戦っている方に向けられた本。だと思った。

フリーランスに憧れ、目指す人も多くなってきた今。私を含め、健康に生活できている人は、「正社員として、企業に属する」か「フリーランスとして、やりたいことをやる」という人生を選択することができる。

しかし、心の病を抱える方の中には

自宅で働く、フリーランスという道しか選べない方もいる

という現実を、この本で知った。(個人差はあると思うので、一概に心の病の方全員に当てはまる訳ではないと思うけど)

少なくとも、筆者が働くためには在宅の道しかなかった。ライターという、書く仕事を生きる術にする。病と向き合い、受け入れ、共に生きていく覚悟を決めたのだろう。

読んでいて、心に残ったのは、彼女の仕事との向き合い方。

病気があることで、仕事が進まない日もある。そこをきちんと自分で受け入れた上で、スケジュール管理をしている。自分の体調と毎日向き合い、自分と対話し、仕事を進めていく。先方に体調不良でスケジュール調整をお願いする際も、病気だからということに甘んじず、自分のできることを取り入れていく。

病気とともに生きていく過酷さと、それを受け入れている彼女の強さをひしひしと感じた。

「書いて生きていく」は、私の人生の中で最大の目標です。書く仕事に就いた以上、【絶筆】という、この世の去りかたはまさに理想的で、そこまでの境地に達するためには、毎日書くというのは、もはや努力ではなく、そうするのは当然であって、それが私の毎日でもあり人生なのだと、思いました。

とても印象的な言葉だった。

私は、このnoteを好きで書いている。今のところは、これで稼ごうとかお金にしようとは思っていない。私にとって、書くことは娯楽に近いけど、誰かにとっては書くことが生きる目的でもある。

ものを書く人は世の中に溢れかえっている。その中に、信念を持って書き続けている人はどれくらいいるのだろう。

書くことを娯楽にできている自分の環境に感謝したい、と改めて思った。

彼女は最後に

もし今、不登校で悩んでいる学生さんたち、不安に押しつぶされそうな人たちになにか言えるとしたら、人に裏切られても、いつかはまた人を信頼できる瞬間がくる。自分なりの人間関係のつくりかたを見つけられるから、安心してほしいということを、大きな声で伝えたいと思います。

と、書いている。

心の病を抱える人が多い現代。多様な生き方で輝いている人がいることが、この本を読んで伝わったら嬉しい。

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