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プロジェクトマネジメントPMの実務 vol.1 『進まない時の12個の対策テクニック』

【組織は組織、個人は個人。という意識】

※この記事の対象者※
組織横断プロジェクトを担当している人
他部署や取引先を巻き込む役割の人
• 担当プロジェクトが進まずに悩む人

〚 この記事の結論 〛

• 担当の部署、役割、そして担当者の個性によって阻害要因は異なる

• 懸念点に多角的なアプローチを加えて不安材料を解消する

• 阻害要因はプロジェクトフェーズで異なる

環境変化や相手の立場に柔軟に対応する

〚 はじめに 〛

今回のテーマはプロジェクトマネジメントです。

 皆さんが担当している案件を他部署や社外の関係者を巻き込んで進めていく時に、必ずと言っていいほど進みが遅れたり止まったりすることがあるかと思います。

 私も企業買収(M&Aと呼ばれる業務)後の会社統合(PMIと呼ばれる業務)や既存事業の構造改革プロジェクトのマネジメントオフィスを担当してきましたので、そこでの実体験から有益な情報をお届けしたいと思います。

〚 プロジェクトが進まないワケ 〛

プロジェクトというのは、まず自分が思っているスケジュールでは進みません。

そして想定される効果を出すのも難しいことが多いです。

すると大抵の場合「あの人がやらないから」とか「あの人の能力が低いから」とか、プロジェクトメンバーのモチベーションやスキルを批判の対象としてしまいがちです。

私も実際そうでしたから気持ちは分かります。

 様々な関係者を巻き込んで管理していくわけですから、プロジェクト推進担当としては進みが遅くなると非常にストレスを感じることでしょう。

私も新任の時には、何とかして関係者に動いてもらおうと正面突破でモチベーションをあげるようなやり取りを心がけました。

更にはビジネススキルを教えようとしたりもしました。

しかしながら結局は他人。自分以外の人間の意識やスキルを直接変えることはできませんでした。

 それからは自分が関与できる領域に限定して手を打つことを考える方に思考を切り替えてきました。

 関係者が動かない•できないのは何が原因なのか?を徹底的に考えることにしたのです。

そこから見えてきたことは、「人はみんな考えも感情も違う。ということです。

当たり前すぎてふざけていると思われるかもしれませんが、プロジェクト推進をやっていると目標達成に追われていますから、そんなことも見えなくなってしまうんです。

これは本当に見えなくなります

つまりは『従業員は十人十色』という当たり前に気づかずに自分本位でマネジメントしていたことこそがプロジェクトが進まない本当の理由だという事です。

〚 メンバーを動かすコミュニケーションマネジメントテクニック 〛

 プロジェクトの主人公は実際に業務を進める現場担当者です。

マネジメントオフィスの自分が実際に手を動かすわけではありません。

その相手がプロジェクトを前に進めてくれるように相手視点で関わることが非常に重要になってきます。

そのプロジェクト推進における関係者とのコミュニケーションを『コミュニケーションマネジメント』と呼びます。

コミュニケーションマネジメントの目的は「メンバーがプロジェクト(施策)を進める上で必要な情報(あるいは情報のニーズ)を適切に伝達すること」です。

メンバーは常に実行段階で直面する課題への恐怖や不安を抱えています。

相手が安心して動けるようになるレベルまで根気強く必要な情報を適切な形で提供していく必要があります。

それには、こんな情報があります。

『施策の予算上の取り扱いルール』

『責任範囲』

『プロジェクトの目的と方向性』

『成果評価の有無』

『関係者の協力状況』

 例えば成果評価に関しても「プロジェクトを成功させれば自分の評価が上がる」という確約がなければ、モチベーションは上がらないでしょう。

そんな時は人事部と連携して正しく評価される体制や制度の取り決めが必要です。

そして、その決定事項を即座にメンバーへ共有してあげることが求められます。

 このように、コミュニケーションを通じてメンバーが抱える推進上の課題を取り除き、安心して施策に注力できる状態を作ることにコミュニケーションマネジメントの本質はあります。

メンバーの中には年次が自分よりもはるかに上の先輩や上司もいれば、キャリアのバックグラウンドも様々でしょう。

こうしたコミュニケーションは実際のところ「言うは易し行うは難し」かもしれません。

ただ、私の実体験から言えば、こうした当たり前の前提意識を持っていないプロジェクトマネージャーが多いことも事実です。

〚 コミュニケーションマネジメントの作業手順の流れ 〛

 プロジェクトの推進フェーズによっても課題は様々です。

その都度コミュニケーション手法を柔軟に変えていくことも重要になります。

ここでは、その大きな流れをまずは理解していきたいと思います。

《 作業手順の大きな流れ 》

① プロジェクトの立ち上げ期

② 施策の計画

③ 施策の実行期

④ 進捗の管理期

一つずつ説明していきます。


① プロジェクトの立ち上げ期

 プロジェクトの目的から巻き込むべき関係者を特定し、、

続きの記事、作成中。

vol.62

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