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コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務 vol.5『投資判断の方程式』

【即戦力となる実践的な考え方とテクニックが学べるnote】
(⚠有料化を検討中の記事)

足を引っ張る大企業』『ベンチャーを支える大企業』どちらになるかはCVC担当の腕次第。

前回記事vol.4はこちらから。

〚投資判断の方程式〛
=①市場成長性
×②経営者の魅力度
×③ビジネスモデルの優位性

これまで①市場成長性を説明してきました。今回から②経営者の魅力度の話を進めていきます。


②経営者の魅力度

〚身銭を切ってでも投資しますか?〛


 私が特に重視しているのがこの『経営者の魅力』です。全く同じタイミングに同じビジネスをスタートさせたとしても誰がやるかでその結果は変わると考えています。
特に「なぜあなたがやるのか?」は慎重に評価をしています。そして、その起業家の覚悟を評価するわけですが、1つの投資の判断軸として「会社のお金ではなく身銭で投資できるか」を私は大事にしています。
起業家は自らリスクを負い覚悟を持って事業をしている場合、投資家側が「会社のカネで投資するから覚悟が中途半端」という状態は非常に失礼だと考えています。
起業家の覚悟への敬意と投資する側の覚悟を持ち合わせることではじめて、良い意味でシビアな投資判断ができるんだと思っています。


〚魅力とはいったい何のことか?〛

 では、起業家に魅力がある状態はというと、私は大きく2つに分類しています。『熱意』と『スキル』です。
それぞれを更に要素分解したものを簡単にリスト化してみます。

『熱意』
• 起業した目的
• 事業や自社への想い

『スキル』
• 過去の実績
• 模倣困難性のスキル
• 戦略や計画の具体性
• 課題認識の具体性
• 財務の管理能力
• 既存株主のラインナップ

 私は更にそれぞれの項目に対して、より細かく調査項目を分解して投資検討をしていました。
上記の項目とそれを更に分解した項目の説明は、今後記事にする予定の『CVCデューデリジェンスの実務』でお伝えしたいと思います。

 ここで重要なこと、つまり『経営者の魅力度』を評価する上でCVCが持つべき視点とは『経営の持続性』です。事業会社としてはVCとは違って、ベンチャー企業と上場後も繋がり続けることが利益の最大化になるわけで、理想は自社の収益ポートフォリオの一部にしていくことです。
もちろん持続的なCVC運営にはキャピタルゲイン目的の投資も織り交ぜたりと、実際はもっと複雑な投資戦略を敷いていますが、そういった話はまたいつか別に記事化にしようと思います。
ここでは、CVCの本質的な価値に焦点を絞って考えたいと思います。
 そうした時に『経営の持続性』とは、まさに上場後も起業家が経営に留まり事業を成長させ続ける『意思』があるかどうかが重要な視点だと考えています。
ここで例外の認識もしていただきたいのが、起業家の経営スキルと事業成長フェーズを相対的に評価した結果、あるタイミングで経営陣を変更した方が事業の成長を阻害しないということもあります。
ですから、盲目的に起業家には永久に経営ボードメンバーとして留まってもらう、なんていう考え方はもちろん論外です。
そうではなくて、苦境を乗り切れる明確な熱意と経営の眼があるかどうか、をきちんと評価すべきということです。


〚投資検討(意思決定プロセス)で起こりうる失敗〛

 この経営者の魅力について投資検討の議論をする際にも、注意すべきポイントがあります。
私が実際に失敗した事例を元に代表的な例をお伝えしたいと思います。

失敗の代表例
①起業家の想いが伝わらない
②正しい財務状態の理解
③既存株主への印象

↓続きの記事
コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務 vol.6『投資判断の方程式』 https://note.com/mem_yu/n/nb5c8c15a0164

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コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務
『投資判断の方程式』
vol.1 https://note.com/mem_yu/n/ncf37cb4ada05

vol.2 https://note.com/mem_yu/n/nbbd472dec8bc

vol.3 https://note.com/mem_yu/n/n32aa50231a8a

vol.4 https://note.com/mem_yu/n/nd86d604f9842

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vol.37

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