何も思い出せないくらい遠くへ

ガラガラと音をたてて
崩れながら運ばれてゆく
痩せた手首から
飛び立つ蝶々は
昨日までの全てに
瞳を閉じるような
静けさの中舞い散る
暗闇から抜け出すと
明るすぎる天井が
意味もなく哀しくて
泣けてくる
この涙は痛みか絶望か
それとも夢か
何も思い出せないくらい遠くへ
誰も私を知らないような遠くへ
何も思い出せないくらい遠くへ
誰も私を知らないような遠くへ
もっともっと
遠くへ遠くへ遠くへ
行きたい

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