魔物物語

人は私を解ることなく
ただ知りすぎる
私という独りの人間を
知りすぎる
私の差し出す魔物の話に
人は魂を喰われているのか
人に沈む魔物を
引きずり出すのか
どちらにせよ
初めは劇を支える脇役も
いつしか物語の主人公となっている
初めにいた物語の主人公を追いやり
昔実在していた主人公を生き返らせ
魔物をリアルに再現する
私を知りすぎると
共に闇に堕ちるのだろうか
人に話した悲劇が
繰り返される悲劇

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