雪のような存在

丸い膝の上に頬をのせて
昔みたいにぼんやり遠くを見ている
スーッと流れ落ちる涙の意味さえ
分からなくなるほど
ギュウギュウに詰まった心の中
両肩を掴む指が
哀しみに届くみたいに
冷たい仕打ちだけを思い出す
泥にまみれた雪が
いつの間にか消えて
ただの道になるように
誰にも気づかれぬうちに消えている
雪のような存在になりたい

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