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【自作詩集】 霧の森〜記憶を彷徨いながら〜

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オーストラリアに来てからの風景や心情を綴った詩 心から消し去ることのできない想いなどの書き殴りの詩
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2023年11月の記事一覧

【詩】自己愛

【詩】自己愛

いつもと同じように
鏡の前に立ち
指でゆっくりと
唇をなぞりながら
口紅をつける

長年愛用している
ピンク色の口紅
初めて買ったのは
いつだっただろう

あの頃の私と今の私
ふふっと笑みが溢れた
目尻と口元にできる笑い皺
祖母譲りの頬骨

悪戯に知識と知恵を
詰め込んだけど
瞳の奥に棲む私は
あの頃と変わらない

今にも壊れそうな
脆いガラス細工
自信がなくて不安で
いつも「これで良いのかな?」

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【詩】ボトルの破裂

【詩】ボトルの破裂

先日夢と現実の狭間でウトウトしていた時に見た
不思議な光景を書いてみました。

バン!

空中で
グラスボトルが
音を立てて
破裂した

破片の一つ一つが
繊細で柔らかな
虹色を放ちながら
放射状に広がっていく

破片を見ていると
重なる懐かしい感情が
あちこちの毛穴から
込み上げてくる

その様は
スローモーションで
やがて破片が緩やかに
形を変えながら
空間に漂うモレキュラーと
溶け合っていく

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【詩】傷跡

【詩】傷跡

眠れぬ夜
微かな月の光が
忘れていた傷跡を
薄らと照らした

そっと指で触れてみる
まだ痛い

この傷跡が
完全に消える時が
くるのだろうか

こぼれ落ちた涙で
傷跡を撫でた

すると突然
月明かりの方から
柔らかな声がした

「一人で我慢して苦しまないで
いつでもあなたを見守っているから
痛みを優しく抱きしめて
星となって輝くまで」

あ…
月の妖精

ありがとう😌✨

【詩】生きる

【詩】生きる

何かを食す

美味しくても
不味くても

食べたものは

お腹の中で
消化され

血肉となり
骨となり

体を温め
生きる力となる

余分な物は
形を変えて
排出される

何かを経験する

楽しくても
辛くても

経験した事は

脳のどこかで
消化され

知恵となり
優しさとなり

心を養い
愛となる

余分な感情は
夢となって
排出される