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【詩】咲散
華は必ず畢る
散るが故に美しい
不老不死
最も生き物から遠い言葉
最期があるから鼓動は始まる
春風がはじまりを告げて
梅や桜や咲き誇る
やがて皐月の緑が
花弁を追い出し青々と茂る
終の無い存在ほど無粋なものはない
一部始終を見送ってこそ儚き美しき
ひとのまどろっこしいところは
こころというものがあるところ
なにかをかんじてかんがえては
あぁでもない、こうでもないと
思考の廻廊は狂った憐哀の先に
あぁ、また華が散ってしまうね
枯れ果て丸裸の枝にも
美を見出せるのが心で
満開の桜に自己満足し
醜を晒すのもまた心で
ひとは贅沢で傲慢で謙虚で健気な生き物です。
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