【詩】来訪者
いつものように川を眺めて煙草を吐いた
いつもの黒茶色の鳥達の群れをよそに
珍しく純白色の孤高の鳥が降りてきた
その鳥は周りをぐるりと見渡して
ひとつまみ、ひとつまみ
川底の泥を掬っては捨てて飛び
ひとつまみ、ひとつまみ
掬っては飛び
そのまま見えなくなった
甘ったるい黒の煙草が燃え切った
来訪者、来ず
新たな来訪者、現る
現実を見ようか
彼は真の道標
逃げずに背かずに前を見て
話をしよう、前を見よう
明日には来訪者が来るだろうか
それとも私が来訪者となろうか
回答に正解など無い
不正解も有り得ない
私が吸う酸素と
吐く二酸化炭素
蠢く心臓
それが
私の
答