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【詩】恋渦

巷で流行りの愛のうた

「貴方と結ばれ幸せになりました」
「君の運命の人は僕じゃないんだ」
「好きだという気持ちどうしよう」

こんなものばかりだって勝手に思ってる
弄れた独り身の戯言でしかないけれどね

恋心って
火薬を纏った竜巻だと思うんだ

普段は勝手に対岸で渦巻いている
対岸の火事から自分事になる時に
その竜巻に小さな火種が燃え移る

燃え盛る想いの渦は
制御不能自由気まま
心の臓のど真ん中で
激しく燃え渦を巻く

例え一度埋葬した恋心でも
意図せずスパークした途端
燃料を燃やして大暴れする

その渦を意のままにすることは出来ない

全脳味噌が整理し理解していても
心の臓の奥底に発火の種があると
忽ち暴走し体内の全てを焼き尽す

全く困ったものだ
憐愛の行方なんて
解り切ってるのに

恋哀の渦はいつ大人しくしてくれる
七ヶ月以上かけてやっと鎮めたのに
七年という歳月は余りにも長過ぎた

傘はもう燃えて殻となったよ

雨を

風を

嵐を

吹きっ曝しの野っ原に
全てブチ込んで浴びる
この心を妬く焔を静め

穏便で平和で孤独な静寂をくださいな。

春雷は 灼熱の恋 瞬く間

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