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【詩】

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心に浮かんだまま書き殴られたものたち。
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「星座」

「星座」

夜空に煌々と輝く星達

それらは単体ではひとつの星である

でも

それらを上手く繋ぎ合わせると

それは大昔の人々が連想したものを象徴する

星座という存在になる

私の「スキ」を繋ぎ合わせると

私というひとつの星座となる

それは煙草であり、上等な酒であり

美味い飯であり、趣味であり

そして大切なひとたち

私を象る星座

火曜日の夜から気にかけて

今日の夕方まで共に過ごしてくれた友人

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「朝焼けと掛布団」

「朝焼けと掛布団」

水曜の午後から、不調の為欠勤した。

木曜の夜、多少落ち着きはしたものの

働くのに必要なエネルギーは

足りていなかった

今朝

六時より前に目が覚め

居間のカーテンを開くと

紅色の空が出迎えた

無理矢理起こした友人と

居間に戻ったその瞬間

二人の前に太陽が顔を出した

「俺、ちょいと職場行ってくる」

自然と出た言葉だった

「おぅ、頑張れよ。俺はもう一眠りする」

友のやわらかな

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「瞼を濡らし、頬を伝うもの」

「瞼を濡らし、頬を伝うもの」

目覚めは六時

最近、瞼から頬にかけて

雫が流れることが増えた

心当たりは

ある時とない時がある

例えば火曜日の夕方

あの日は間違いなく何故か分かる

例えば木曜日の朝

窓越しに朝陽を浴びながら

温かい珈琲を啜って煙草を吹かす

これは何故だか分からない

例えば水曜日の朝九時過ぎ

この時は心から溢れたように

嗚咽混じりに流れ続けた

これも何故だかよく分かる

自分の感情が行方

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「オリオン」

「オリオン」

或る者は砂時計

或る者は蝶ネクタイ

又或る者は、黒胡椒の様だと言う

肌寒く、空気透き通る

夜空に輝く星達の羅列

古の船乗りは

星を頼りに舵を取ったという

現代

LEDが輝く街並

街外れまで行くと

煌めく星座がよく見える

その星座は古より

我らを導く標となる

どうか、古の星達よ

私の行く末まで

導いておくれ。

「故郷」

「故郷」

故郷の街並

異郷の故郷

鳴る踏切の警報

響く列車の走る音

哀愁のディーゼル

遠くで燃える工業地帯の炎

薄灯のアパート

爆音の単車

唸る冷蔵庫

離別

再会