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【詩】

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心に浮かんだまま書き殴られたものたち。
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2023年9月の記事一覧

【 】沈黙

【 】沈黙

残酷に感じる永劫の夜にも無慈悲に朝はやってくる

開けた夜は真っ暗で
嘲笑う雲裏の朝焼け

北風に乗って心を抉る雨
厄介な沼の畔に汚れた水
このままぶっ壊れちまえ

沈め

沈め

【 】瞬き

【 】瞬き

何度重ねたか知らない瞼は
数回重ねるのみで真を知る

何億秒以上積み上げた時間は
僅か数秒で呆気なく瓦解する

【詩】微睡む恋

【詩】微睡む恋

理想のまま浮かぶが恋

たった一言の優しさが
私の心臓を手荒く掴む
爪が刺さって息苦しい

愛は現実を向けて沈む

ふわふわと海原を泳ぎ
くらくらと貴方に溺れ
だらだらと一日を終え

いつか覚めるから夢という。

【詩】墓なき

【詩】墓なき

湿った熱気が空から涙を落とす

夢を見た
素敵なあなたの夢
痺れる身体をそっと抱き起こして
優しい抱擁をくれた

俺にはまだ入る墓など要らぬ

ゆめを見るのはひとの特権

どんな空想も
理想の妄想も

この世界では全て思うがまま

遠のく意識に見えた光る薬指
何故かそこだけは現実的だね

このひととき、この一瞬が幸せだったからそれでいいや

【詩】雀蜂

【詩】雀蜂

眼前を抜ける一匹の大雀蜂

到着した列車にまたも大雀蜂

二度刺されれば命が刈られる

一瞬脳を過る不吉な知識

身体の麻痺を感じて座る

虫の報せ?

【詩】蒼い満月

【詩】蒼い満月

息苦しい夜に唄う

ブラックホールみたいに闇を吸う月
過換気症候群の肺胞が求めるその瞳
僕は忽ちきみの虜になってしまった

ブルー・ムーン?
君はちっとも青くない
黝いのは腕だけにしておきな

西洋の古人は月光に誑かされたと伝わる

嗚呼、美しきその輪郭よ!
息苦しい世界から連れ出しておくれ
アイスココアじゃまだ眠れないんだ

厭世、此処に極まれり。

誰が為に灯を照らす?
胸に十字を突き立てば

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