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おやすみ日記 8月前半

noteでは何かひとつのテーマに絞ってつらつらと綴ることが多くて、ずっといろんな方の日記に憧れていた。誰かのたわいもない、けれど愛おしい日々がすきだ。わたしの休日もそうあってほしい。そう思って、いつまで続くかは分かりませんが、気が向くままに覚えているかぎり、綴ろうと思います。好きなところだけつまみ食いしていただけたら幸い。
7月後半の日記はこちらから。

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8月2日
つい最近まで住んでいた家の掃除をした。セミダブルベッドを解体し、マットレスを粗大ゴミに出した。空っぽになった部屋はがらんとしていて声が良く響いた。いろんなことを思い出す。九州からキャリーケースと大きなトートバッグだけで引っ越してきたあの日のこと。なんにもない部屋で段ボールを机にして、チョコチップスティックパンをもそもそ食べたこと。もう3年以上が経ったのに鮮明に覚えている。
シャッフル再生で流していたSHISHAMOとyonigeが失恋ソングばかり流すので笑ってしまった。そういう新生活ではないです。


8月6日
彼が新居に引っ越してきた。
荷物が少ないのをいいことに、業者に委託せず自分たちですべて荷物を積み、彼が借りてきたカーシェアの車で新居に運び入れた。リサイクルに出す冷蔵庫や洗濯機を2人でヒイヒイ言いながら運んでいたとき、滑稽な自分たちの姿にこれまたヒイヒイ言いながら笑った。こういう、しんどい時に笑える相手であることがなんだかいいな。

2年間、何度も通ったこの家やこの街に来ることはもう無いのだと思うと不思議な気持ちがする。仕事終わりに改札前で待ち合わせてよく買って帰ったちよだ寿司のあの店舗も、一度だけ2人で飲みに行った海鮮の美味しい居酒屋さんも、もう二度と行かないのかもしれないと思うと少しだけしんみりした。けれど今日から2人で新しい家に暮らすのだ。

荷物を運び入れ、買い出しをして、クリーニングに出していたスーツを回収し、と慌ただしく動いていたらあっという間に夕方だった。スーパーで大きなパックのお寿司を買って帰った。事あるごとにお寿司を食べるくらいには好きなのに、ネタを食べる順番がまるで違っていて面白い。こうやって違いを見つめ合いながら楽しく暮らしていけたらな。

出る直前に撮った、彼の家。
翌日また彼だけ来るので荷物が点在していて、我々らしい。


8月8日
脱毛に行った。1時間、サクサクと体のあちこちを照射され( ? ) その手際の良さが気持ち良いやら、痛いやら。イーー!!と耐えているあいだに過ぎ去っていくの、現代の拷問だなといつも思う。とはいえ、VIOの毛根、君はほんとうにしぶといな……

そのあとずんずん歩いて銀座へ。途中で友人からLINEギフトで貰ったスタバのチケットの期限が近いことを思い出し、スタバに寄った。スタバは年に1.2回飲めば多いほう。長いレシートが出てきて「おめでとうございます!」と祝われる。嬉しいけど、存在忘れずにいられるかしら。

加賀ほうじ茶、名前がまず美しい

銀座でルスルスのクッキー缶をひとつ買い、実家の両親に手紙と一緒に郵送した。もうあと数日で同じ苗字では無くなってしまうのだと思うと少しだけしんみりする。父と母、それぞれに1通ずつ手紙を書くのなんていつぶりだろう。少なくとも向こう1年は式を挙げない予定だし、というかそもそも挙げるかどうかもなんともなので、たまにはこういうことも良いでしょう。書きながら少し泣きそうだった。


8月11日/12日
それぞれ午後休を取って、午前中だけ働いた。なんなら患者さんの朝食を見るべく早出勤務の日だったので、7:30-11:30定時という、コンビニの早朝バイトみたいなシフト。
ギリギリまで仕事して、11日に婚姻届を提出した。当然祝日なので、夜間受付にポンと提出するだけだったのだけれど、早速彼が着けてくれた結婚指輪を見てはニヤニヤする。夜はせっかくなので、とひさびさに外へご飯を食べに行った。


翌日は彼もお休みだったので、一緒に戸籍変更に伴う手続きのため、この日も区役所に。
……来たはいいものの、祝日明け&戸籍が反映されるまでに時間を要することを知らなかったので、済ませたいと思っていた手続きの半分も終わらない始末。手続きがややこしすぎてパニック&キレているわたしに救いの手を差し伸べるべく「ここはなんでこうなるの?」と彼が善意で聞いてくれていることは分かっているけれど、これはね〜と優しく説明する心の余裕がある訳もなく。

半ば八つ当たりのように返してしまい、猛省。後から謝り倒すと「しゃーないよ。制度上、代わったり一部だけでも手伝ったりできないのは申し訳ないし」と笑って許してくれる彼の優しさが有難いやら申し訳ないやらだった。ケーキ買って帰ろ、2つ選んでいいよ!と毎月半ばの習慣を持ちかけてくれるあたり、わたしの扱いに長けている人である。ありがとうね。


8月13日
丸ごとお休みの日。ずっとバタバタしていたし、お天気も悪いし、今日はあらゆる手続きはお休みして自宅でゆっくり過ごすことにした。
Twitterで見て作ってみたくて、と彼が誘ってくれたので、ビーフストロガノフを作ることに。買い出しに行ってくれたは良いものの、ゲリラ豪雨に見舞われ、帰宅した彼が水も滴るを通り越して搾れるほどビショビショになっていた。ビニール袋に入れてくれていたバターまで浸水しかけるほどの豪雨被害。あ、これは、と思ったので玄関でバスタオル数枚を準備して浴室を暖めて待機していたら、「人と暮らすっていいね」とビショビショの体を拭きながら笑うので、なんつーお心の広い……と拝むなど。お買い物ありがとう。

作ったのはこのレシピ!水これで足りる?と言いながら訝しげに2人で蓋をしたら、お野菜からたっぷりと水が出てほんとうに美味しかった。さらりとしていてスルスル入るのに、ちゃんと味が深く、具材がごろんとしていて食べ応えのある大満足の一品。

本家より黄色みがかかっているのは照明です

あとは各自、部屋で映画を観たり本を読んだり。ふたりで生活していても、ひとりでいる時間を尊重し合える関係が心地いい。夏生さえりさんの「揺れるこころの真ん中で」を読み返した。もう何度も何度も読み返している、大事な本。自分のこころが、生活が動くたびに惹かれる場所がくるくると変わるのが面白いな。


これまでの25年間は一旦ここで一区切り。別の人生になる訳では無いけれど、新しい苗字で新しい感情や経験がたくさん待っていると思うと不安より楽しみな気持ちが優っている。いつまでもお互いにとって相手が1番心地良い他人でいられるよう、努力していけたらと思います。ふたりで過ごすのも、それぞれ過ごすのも休日はきっと楽しいはず。これからが楽しみだ。



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