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教えることよりも促すこと。

最近意識しているコーチングがあるんです。

それはあまり教えない。

というか、自分で解決策を見つけてもらう、ということ。

そのためにどんなアプローチを意識しているか書いていきますね。


コーチングを考えるきっかけ

もう何年も前になります。

大学生の試合を見に行った時に、

お世話になっている母校の先生と話をする機会がありました。


「選手がシュートを外してしまったとき、どうアプローチするのか?」

を聞いたところ、

「俺も大御所の先生の指導を見たけど、教えないんだよ」

と言われました。


それまでは、教える、ということに関して、

指導者の仕事だと思っていたし、

できるようにさせることが大事だと思っていました。

シュートを外した時に、

言葉を失うこと、というのが、

もっともダメな指導パターンだと思います。

「なんでシュート外すんだよ」

「気持ち込めて打てよ」

「あー、もう!!」

なんて発言をしてもですね、

選手はどうしたらいいのかわからないですよね。

だって、指導者が言葉を失っている状態だから。

そこで、技術論の登場です。

「もっとためて打て。」

「シュートを変化させろ」

「GK見て打て」

なんてことはよく言われるかもしれません。

最初の精神論よりはいいですよね、、、

多少なりとも技術論へのアプローチがある。


でも、それじゃあ、ダメ。

なぜなら、正解を教えてもらっただけなんです。

もちろん、試合中はそういう指示も必要な時があるかもしれませんが。


大御所の先生曰く

「君が打ちたかったシュートはそれなのか?」

と問いかけるそうです。


それを聞いた私は大きな衝撃を受けました。


その問いかけにより、

自分のプレイを振り返ることになります。

成功のイメージを持っている人は、

過去の自分のプレイを脳内で再生し、

課題点などを見つけることができるはずです。

問題点を自分で見つけ、

自分で解決策を見つけるというのが本当に大事。

そうじゃないと、また同じような瞬間になった場合、

自分でプレイの選択をすることができません。


指導するというのは、

「教える」というよりも、

「考えてもらう」「思考を促す」

という部分が大事なのかもしれません。


自分流のアプローチをする

そんな過去があったので、

技術的戦術的な課題に直面した時に、

すぐに正解を出すようなことは言わないようにしています。

「なんでそうした?」

「どうしたらいいと思う?」

「わかる人いる?」

周りに理解している人がいるのであれば、

その人が発言することで、

人に教える、考えを表現するというトレーニングにもなりますし、

全体へのインフォメーションとしても役立ちます。


ただ、コーチングは時と場合によって変化が当たり前ですから、

毎回毎回そうすることもできません。

では、選手の思考を促すにはどうしたらいいのか?

ということになります。


いい指導者はいい問いかけをする、と思っていますが、

その問いかけの方法論なんかがあればいいですよね。

というわけで、見つけました(笑)


「GROW」モデル

上記の記事の中にある「GROWモデル」

コーチングに必要なものがまとめられているので、

皆さんにおススメです。

これから説明していきますね。

G Goal

まずはゴールが明確でなければならない。

いま、何をしようとしたのか、

それを選手自身がわかっていないと、

話が先に進みません。

シュートを外してしまった場合、

「どんなシュートが打ちたかったのか?」

を選手自身がわかっていることが大事です。


R Realty

ゴール、自分がしたかったプレイがわかったうえで、

実際はどうだったのか?を振り返る必要があります。

それには、ミスの原因の追究という部分もあります。

自分がどうだったのか、何をしたのかわからないと、

自分自身で改善することができないからです。


O Option

こうしたいというゴールがあったけれども、

実際はこんなプレイをしていた。

というのがわかれば、

他にも解決策がないかを考えます。

もっとこうしたほうがいい。

打ちたいシュートを打つためには、

このほうがいい。

と選手が解決策を見つけるというのが大事です。

もし選手の気づきが不十分な場合は、

初めて指導者が「こんな方法もあるよ」と提案してもいいのではないでしょうか?


W Will

ここまで選手が振り返り、わかったとしたら、

あとはもう指導者としてやることは限られています。

「がんばってもらうしかない」です。(笑)

選手が考え、選手の意志のもと、

選手自身が取り組んでいくのを見守るという仕事になります。


「じゃあやってみよう」と言ってプレイを促す。

私なんかは、

「お願いしまーす!!」

と言って、次のプレイを促すことが多いです。


指導者だって人間

選手がプレイの中心になることは間違いないですが、

指導者だって人間ですから、

感情の起伏もあるし、

毎回毎回理想のコーチングができるとも限りません。


そんなときに思い出すものが、

今回ご紹介した「GROWモデル」かもしれません。

自分なりの言葉や方法論を持っておけば、

自分の感情を基準にするのではなく、

自分の信念を基準にするということになりますからね。


選手自身の思考を促す。

選手自身での変容を促す。


それが指導者の仕事や役割なのかもしれませんね。

何かの参考になれば幸いです。



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