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烏有日記🐦‍⬛2024年5月

烏有 う‐ゆう
全くないこと。何も存在しないこと。

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20240523

やっと文フリの荷物整理をして一息ついた。疲れが溜まっていたのか、レッスンとバイトでいっぱいいっぱいだった。ランニングには行けず、家でフランクでもしないと本当にいけないかもしれない。少し片付けて『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ。


せっかく学歴をつけたにもかかわらず、下級職員ー当時は「腰弁」と呼ばれた。毎日弁当を持って出勤する安月給取りを意味する言葉。……彼らを待っていたのは、長時間労働や解雇の危機、そして思うような消費もままならない物価高だった。

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』


大正時代と今となんもかわらないなと思った。そういえば、新卒の時に月に2、3回弁当を作って行った。毎年のダイエットの決心のように毎年手に数えるほど作って続かなかった。寝ることはもちろんシャワーを浴びる時間すらなかったときもあったんだから仕方ないじゃんと言い訳をする。「なぜ働いていると弁当が作れなくなるのか」。いやいや、それでも他の人は作れている。大正時代のサラリーマンも、同じ業務強度でも育児と家事をこなし、弁当を持ってきていた同僚も。一層社会全体を幼稚園や学校のように全部給食にしてほしい。(コミュニスト?)



しばらく全然進まなかったケルアックの『オン・ザ・ロード』(韓国版でミンウムサ世界文学全集)を再開。今LA近郊にいてピッツバーグ行きのバスを待っているところ。すごく面白かったりつまらなかったり、あまりにも古く感じたり今の時代にも通じる変わらないものを感じたり。すごくカオスな本。

240524

ずっと気になっていた大腸カメラ検査を受ける。痔だった。ぢ!4年前のが治ってなかった。腸は何もなく綺麗らしい。痛みはこの前手術を受けた部分のせいらしい。恐ろしい。人間はホルモンの奴隷なのだ。人間はホルモンなのだ。とにかくほっとした。

240525

ゴシップなニュースや広告を避けたくて、午前中はYoutubeでクラシック音楽を流すだけにしようとしているけど、最近のショーツや、カルセール枠で刺激的な動画ばかり出てきて少し嫌な気持ちになった。Twitterやインスタの広告と似ている気がして、さすが第一世界テークカンパニーのデザイナーさんたちが作った素晴らしいUI /UXから、簡単には逃げられないなと感嘆した。高等教育期間まで学んだ認知科学や様々な知識は、このように人の時間を奪い、多額の金を稼ぐために使われる。……書いてみたらひどい考え方だな。まあTwitterのおかげでたくさんのいい人に出会えて、Youtubeで良質の音楽をたくさん聴かせてもらえている。

ただ美しいものを追って入れば、自然と好かれて認められる。そんな御伽話はあり得ないのだ。……あり得ないのか?

西加奈子さんの「44年間生きてきたという、それだけですごいことだと気づいた」という言葉、本当にそう思う……。

240527


国立新美術館のマティス展を最終日ギリギりで行ってきた
神父のカジュサ?(マント)の部屋を見ただけで価値があった。
ニースにも行かなくても展示が見えるなんて本当にありがたい
ウィーンに行きたい。クリムトとシーレが見たいと思った。

ランチ価格の相場が大体1000円以内から1600円くらいに、
ラーメンいっぱいに8、900円はざらに
ミスドのドーナッツは100円から160円ぐらいに
ミュージアムショップの葉書も100円から220円になっていた。

子供のごろ19世紀末や20世紀背景の本を読むと、
コーヒーが一杯いくらだの
どのこうの書いてあることに全然興味が湧かず、
作家たちはなんでこういうことを書くんだろうと思ったけど、
やっとわかった気がした。あの時は生きて15、16年くらいしか経ってなかったら
物の価値が肌に感じるほど変わることがなかったんだ。

それが今考えるととても不思議で新鮮に思える。
もういい歳しているので、物価の話は興味津々でほっとくと若い友だちを前に
「この前まで⚫︎⚫︎円だったのに」と永遠に昔話をする。


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